京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は、「ワイヤレスジャパン×WTP 2023」にSigfoxを利用した物流ソリューションを出展。無線技術に関心の高い層だけでなく、併催展「運輸安全・物流DX EXPO 2023」に訪れた物流業界関係者もブースに足を止めていたという。
KCCSブース
Sigfoxで開封検知
“貼るだけで実現できる物流DX”を掲げるのがSigfox開封検知ソリューション「SeeGALE(シーゲル)」だ。横208mm×縦65mmのフィルム型デバイスに、無線チップ、アンテナ、バッテリー(ボタン電池)を搭載する。ブースで実物を見るとその薄さに驚く。断線トリガーが開封時に切断されるようにダンボール箱に貼り付けると、開封を検知してその情報をSigfox経由で送信するという仕組みだ。
「SeeGALE」デバイス。バーコード左の金色の縦線(2つ)が断線トリガー
このソリューションを活用すれば、従来は難しかった拠点別・製品別の未開封在庫数の把握が可能になる。また、開封のタイミングが分かるので、製品の消費ペースを正確に知ることができ、生産管理に役立てることができる。
デバイスに搭載したバッテリーは将来的にはシートバッテリーに改良し、さらなる薄型化を見込んでいる。ダンボール箱だけでなく封筒やチケットなどにも貼り付けが容易となり、マーケティング目的にも用途を拡大できるとのことだ。
デバイス1台の価格は300円から、メッセージ1通あたりの通信費は0.6円から。同社 マーケティング部 デジタルマーケティング推進課の古俣香澄氏は、「現在は実証実験段階だが、今年上期から量産体制に入りたい」と述べ、普及に向け準備を進めている。
パレット管理にもSigfox
また、Sigfoxによる位置管理サービス「IoT Tracker」も多くの関心を集めていた。パレットやカゴ台車などの物流資材にSigfoxデバイスを取り付け、所在情報を送信。位置や状態の情報が地図上に可視化され、資材の紛失、流出や、配置の遍在などの課題解決につながるソリューションだ。
「IoT Tracker」用のSigfoxデバイス
こちらのデバイスは1台3000円から。低消費電力のため電池寿命は5年から10年におよび、運用中の電池交換が実質不要なのも大きな利点だ。
ワイヤレスジャパン会期後の6月8日には、「SeeGALE活用セミナー」がオンラインで開催されるという。ブース訪問と合わせて参加してみてほしい。