SASEはWANエッジの高度化から HPE Arubaの戦略

多くの企業が境界型セキュリティからゼロトラスト、SASEへの移行を進めている。拠点に置く“WANエッジ”の高度化によって、これを推進するのがHPE Arubaだ。同社のキーマン2名に戦略を聞いた。

パートナー経由でNaaS展開

――2020年に買収したSilver PeakのSD-WAN技術がベースになっていると思いますが、Arubaの有線・無線LANとの統合による効果についても教えてください。

ヴァーブルート HPE Arubaは従来からネットワーク/セキュリティの管理・制御機能をWANエッジに展開してきており、そこにSD-WANを統合しました。結果、もともとArubaの特徴であったロールベースのアクセス制御を、WANとLANで一貫性のあるかたちで適用できるようになりました。アプリのクラウド移行に合わせてWANを変革するに当たり、これは大きな利点になると考えています。

――日本国内の販売戦略について。SD-WANやSASEを提供するには、これまでLANスイッチやWi-Fi機器を販売していたパートナーとの関係も大きく変わりそうです。

本田 パートナーには共通のニーズがあります。モノの販売だけでなく、“as a Service”の販売に取り組みたいというものです。

――物販からマネージドサービス提供へとビジネスを移行するのは簡単ではないはずです。

ヴァーブルート パートナーが新しい販売モデルを構築することが大変であることは理解しています。そこで、Aruba側で作った“サービスパック”をパートナーに使っていただくモデルを用意しました。GreenLakeのプラットフォームを応用した「HPE GreenLake for Aruba」です。

――HPE GreenLakeはハードウェアとソフトウェア製品に、設計・構築、保守運用まで含めてサービスとして提供するものですね。サーバーの領域から始まったものですが、ネットワークに導入してからの状況は。

本田 ネットワークでの提供は、ここ1~2年ほどです。当初はお客様の要望に合わせてかなりカスタマイズしたものを提供するスタイルでしたが、最近ではパートナーが販売しやすいパッケージソリューションに変えてきました。

ヴァーブルート 8つのサービスパックがあり(図表)、例えばWi-Fiであれば、アクセスポイントと運用管理に必要なライセンス、サポートまで入っており、3年あるいは5年のサブスクリプション型サービスとしてパートナーが販売します。パートナーがこれに自らのサービスを組み合わせることもできます。

図表 HPE GreenLake for Aruba のサービスメニューと特徴

図表 HPE GreenLake for Aruba のサービスメニューと特徴

本田 ネットワークをサービスとして利用することは、すでに通信事業者から提供されているためエンドユーザーも馴染みやすいはずです。GreenLake for Arubaのようなものが出てくることで、通信事業者以外にもNaaS(Network as a Service)を展開できるケースが広がると期待しています。

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