ノルディックセミコンダクターのブースでは、近距離無線通信プロトコル「ANT」とそのプロファイルである「ANT+」を活用したデモが行われていた。
「ANT/ANT+」のアピールに力が注がれていたノルディックセミコンダクターのブース |
ANTは、カナダDynastream Innovation社が開発した超低消費電力のPAN向け無線通信プロトコルだ。日本ではまだあまり馴染みがないが、アウトドア向けやヘルス向けといった用途別のプロファイルを策定するANT+アライアンスには2011年5月現在で350社以上が参加している。また、ソニー・エリクソンのAndroidスマートフォン「Xperia arc」がANT/ANT+を標準搭載するなど、欧米では結構知られた方式のようだ。BluetoothなどPAN向けの近距離無線通信プロトコルは他にもあるが、説明員が強調したのはIEEEなどの標準規格とは違い、「完全独自方式」であること。そのため、「認証費用などがかからない」という。
自転車に取り付けられたXperia arc(左)とiPhone。ANT+センサーが収集した心拍数や走行速度などの情報がその場で見られるほか、スマートフォンの3G通信機能経由でクラウドに送信される |
ブースでは、ANT+センサーによって自転車走行時の心拍数・スピードなどを収集、ANT+対応のスマートフォンなど経由でサーバーへリアルタイムにアップロードするデモを実施していた。デモで使われていたスマートフォンは前出のXperia arcとANT/ANT+アダプターを装着したiPhoneである。なお、ANT+対応iPhoneアプリはApp Storeで数多く公開されているという。