NTT再編は1年後に再検討、NTT東西にはアクセス網の一層のオープン化を促す

総務省の「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」(ICTタスクフォース)は2010年5月14日、「過去の競争政策のレビュー部会」(第1部会)、「電気通信市場の環境変化への対応検討部会」(第2部会)の合同部会で、原口一博総務大臣の「光の道」構想の実現に向けた報告書案をまとめた。

このなかで、通信業界の注目を最も集めたNTTの組織問題については、「1年後をめどに再度検討することが適当」とした。

報告書案をまとめたICTタスクフォースの第1部会・第2部会の合同部会

報告書案ではNTT東西のアクセス網保有部門の在り方に関して、機能分離、グループ内分社化、完全分社化という組織的な再編を行う案と現状維持の計4案を提示。そのうえで「公正競争の確保は、単純に組織形態を変更することをもって達成されるものではなく、併せて講じる措置によりその評価も異なってくることから、それぞれのオプションについて、メリット・デメリットを総合的に考慮する必要がある」とした。

その際の評価の視点としては、①国民のアクセス権の保障、②設備競争、サービス競争の促進、③グローバル競争への対応、④NTT株主の利益確保、⑤実現のための時間、コストを挙げ、「NTTの組織形態の在るべき姿を検討するためには、多角的な視点から総合的な検証が必要」とした。そのためには十分な検討時間が必要となることから、結論を先送りにした。

ただし、「一層の公正競争の確保が必要であるという方向性については、概ね見解が一致しているところ」とし、「NTT東西に対し、接続情報に関するファイアウォールの強化、アクセス網の一層のオープン化などの取組を求めることが適当」とした。

今回の報告書案を基に、5月18日に開催される、政務三役と各部会の座長、副座長で構成する「政策決定プラットフォーム」で最終的な判断を下す予定だ。

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