昨年11月に韓国で開催されたG20会議の一部は済州島(チェジュ島)で行われたが、それは韓国のスマートグリッドへの取り組みを各国首脳にアピールするためだった。チェジュ島では今、大規模なスマートグリッドの実証実験が進行中だ。
韓国政府は国家戦略の1つの柱としてスマートグリッドを推進している。李明博(イ・ミョンバク)大統領が唱える「Me First(まずは私から)精神」の下、2020年までのCO2排出量25%削減、そして2030年にスマートグリッド関連で5万人の新規雇用と7兆円の内需を創出するという目標を掲げている。
実のところ、韓国のスマートグリッドへの取り組みは、欧米諸国と比べて出遅れた感もあった。その遅れを一気に挽回するために始まったのが、チェジュ島での実証実験である。本気になったら成果を出すのは早い「韓流式」の追い込み法というわけだ。筆者は4月末、その実態を調査するためにチェジュ島を訪れた。
韓国電力(KEPCO)の広報館(スマートグリッドインフォメーションセンター)の前に立つ筆者 |