富士通は2月27日、同社の5Gネットワーク環境を構築する技術とマイクロソフトのエッジコンピューティングサービスの接続検証を、2023年3月に開設予定の英国・バーミンガムの富士通検証施設で2023年度より実施すると発表した(参考記事:通信基盤も「保有」から「利用」の時代 Azureで次世代キャリアへの変革を支援)。
この接続検証では、同社の基地局やアプリケーションおよびプライベート5G(ローカル5G)環境構築の技術と、マイクロソフトの通信事業者・エンタープライズ向けのソリューション「Azure Private 5G Core」を組み合わせて、ネットワークやアプリケーション負荷に柔軟に対応する安定した通信を実現し、複雑な管理や設定が不要なプライベート 5Gプラットフォームを、同社のプライベート5G商用環境に構築し、動作を確認する。
構築したプライベート5Gプラットフォームの機器構成イメージ
同様の検証は2022年7月に川崎市のFUJITSUコラボレーションラボで実施され、エッジコンピューティング上でプライベート5Gプラットフォームを構築できることを確認している。マイクロソフトによると、この検証で国内の商用環境で初めて構築が確認できたが、今回はグローバルなパートナー企業とのビジネス共創を目的とし、英国での検証施設で検証を行うことになったという。ユースケースとしては無人搬送車(AGV)の自動運転や高精細4Kカメラの映像伝送などが想定される。
将来的には、基地局からエッジアプリケーションまでのすべてを「Azure private MEC」上の統一プラットフォームに構築することを目指し、5G接続のさらなる簡略化や、複雑な導入や管理を必要としないプライベート5Gプラットフォームの実現に取り組むという。
検証の内容は、2月27日から3月2日までスペインのバルセロナで開催される「MWC Barcelona 2023」の富士通ブースで紹介される(富士通によるMWC特設サイト)。