KDDI 代表取締役社長 高橋誠氏
「2030年に向けて、あらゆるものに通信が溶け込んでいく。安心で豊かなデジタル社会を実現するため、命をつなぐ、暮らしをつなぐ、心をつなぐ、の3つのつなぐチカラを我々は進化させたいと考えた」
KDDIは昨年5月、2030年に向けた同社のパーパス(存在意義)として「KDDI VISION 2030」を策定。「「つなぐチカラ」を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」という目標を掲げたが、このパーパスに込めた思いを、KDDI 代表取締役社長の高橋誠氏はこのように説明した。
KDDIの使命は「つなぐ」こと。そのため、3つのつなぐチカラを進化させていくという
つなぐチカラを進化させるため、KDDIがまず注力しているのが5Gだ。「非常にこだわっているのは、お客さまの行動導線に合わせて、5Gネットワークを拡大させること」。5Gの人口カバー率は2022年度末に90%に達する見込みで、すでに約半数のユーザーが5Gを利用中だという。
また、「5Gはますます進化していく」として、5G SAの特徴であるネットワークスライシングとMEC(Multi-access Edge Computing)に言及。
ネットワークスライシングに関しては用途ごとに「専用道路を作っていくイメージ」、MECに関しては「ユーザーに近い場所にサーバーを置いて処理速度を早くする」と説明したうえで、ソニーと5G SAの技術検証を行っていることを紹介した。
さらにBeyond 5G時代に向けて、「オールフォトニックネットワーク」に取り組んでいるとも話した。
Beyond 5G時代、今まで以上の超高速、超多数接続などが実現すると、消費電力も爆発的に増えていく。そのため、電気信号に変換せずに光のまま信号を送ることで、超高速・低コストかつ低消費電力を達成できるオール光のネットワークの必要性が増すからだ。
KDDIのBeyond 5G時代に向けた構想
オール光のネットワークについては、NTTもIOWN構想において、「オールフォトニクス・ネットワーク」という名称で取り組んでいる。