5Gアンテナの最適化に欠かせない専門知識

5Gの恩恵を最大限受けるにはアンテナの適切な設計が欠かせません。本稿ではIoTソリューションで利用されることの多いアンテナの特徴をタイプごとに解説します。

こんなに違う!アンテナの特徴を説明

アンテナは主に次の4つに分けられます。それぞれの特徴を解説します。

ケーブル付き外部アンテナ:シンプルなケーブル接続でデバイスの外部に設置できるため、広く使用されています。デバイス内部に設置するアンテナと比べて、設計上の制約の多くを取り除くことができます。アンテナがほかの電子装置から離れており、ほかのコンポーネントとの距離が近いことによるリスクが最小化されるからです。この種類のアンテナの実装はよく普及し、テストもされているため、ユーザーに大きな信頼を提供します。

ケーブル付き外部アンテナの外観

ケーブル付き外部アンテナの外観

ターミナル・アンテナ:外部アンテナと同様、ターミナル・アンテナもよく普及し、低リスクで、そのパフォーマンスはテスト済みです。アンテナを接続ターミナル(SMAコネクターなどの接続部)に固定するだけなので、シンプルな設計と容易な接続が可能になります。ターミナル・アンテナは一般的に、地下などの信号の弱い場所に最適な選択肢です。

ターミナルアンテナの外観

ターミナル・アンテナの外観

組み込み型Flex/PCBアンテナ(SMDアンテナ):デバイス内部に実装されるので、回路設計、材料、周辺部品の影響や、外装ケース含め適正なアンテナ放射が出来るかなど、最適なパフォーマンスのための設定が比較的複雑で、リスクも高くなります。複雑ではありますが、低コストという利点があります。表面実装設計(SMD)により、高容量の配備に最適です。

組み込み型Flex/PCB、SMDアンテナ

組み込み型Flex/PCBアンテナの外観

カスタムアンテナ:機械の制約やパフォーマンスに対処し、製品に合った成形が可能で、標準アンテナを選択できない場所に配置できます。

カスタマイズされたアンテナは、非常に柔軟な設計が可能で、小型化、薄型化、形状最適化で、基板上に直接実装する表面実装技術(SMT)も活用できます。プラスチック・ケースまたは製品容器の裏にアンテナ・パターンをエッチングできるので、フレキシブル・プリント基板(FPC)アンテナやシートメタル製品の代替として利用できます。ただ費用がかさむ可能性があり、複曲面のデザイン設計はできません。

オプションとして挙げたFPCは、組み立てを容易にするためにばね接点を用いる場合があります。またシートメタルは、アンテナの体積とRFパフォーマンスの改善が可能であり、最も柔軟性の高い3Dアンテナの製造テクノロジーといえます。このテクノロジーによってアンテナのコストは下がりますが、FPCやLDSと比較すると機械類の整備費がかかります。

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