パナソニック コネクトは2022年12月16日、ミリ波無線LAN実用化に向けて同社が開発したセンシング技術と融合させた未来の無線品質予測技術の有効性・実用性を検証すると発表した。
自動運転を制御すると期待されている5Gネットワークは、面的なサービスを提供できる一方で、電波の到達範囲が限定的なため多数の基地局を必要とし、結果的に多くのエネルギー消費を必要とするという課題がある。
これに対し、パナソニックが実証に利用するミリ波無線LANは、干渉源となる他の無線局が比較的少ない60GHz帯を用いており、ギガビット級のスループットを安定して伝送できるうえに、5Gネットワークに比べ、低消費電力だ。ただし、ミリ波は直進性が高く、遮蔽環境での使用が難しいという課題がある。(参考:ローカル5Gで使う「ミリ波」の特徴と弱点克服法は?)
同社によれば、仮にミリ波無線LANを5Gネットワークに組み込めば、ネットワーク全体のエネルギー効率を3倍以上に高めることができるとしている。
システム構成図
そこで、センシング技術により検知される未来の遮蔽環境に対し、当社開発の無線品質予測技術を用いて最適なタイミングで5Gネットワーク(実験ではWi-Fiで代用)に切り替え、途切れず通信できることを実証する。
センシング技術(実験では79GHz帯ミリ波レーダを使用)による物体検知と無線品質予測技術により遮蔽環境を事前に予測し、途切れずデータ伝送を持続する実証実験は世界初の取り組みだという
実証期間は2022年12月19日~12月23日で、横浜市の臨港パーク管理用通路及び周辺スペースで実施する。