日本ベリサインとアイキューブドシステムズは2011年3月31日、2つの企業向けスマートフォン/タブレット用管理・認証ソリューションを共同開発、両社がそれぞれ同日から販売開始すると発表した。
日本ベリサイン 代表取締役社長 古市克典氏 | アイキューブドシステムズ 代表取締役社長 佐々木勉氏 |
今回発表された新サービスの1つめは、「ベリサイン MDM powered by CLOMO」である。アイキューブドからは「CLOMO MDM with VeriSign MPKI」の名称で販売される。
MDM powered by CLOMOは、アイキューブドのモバイルデバイス管理サービス「CLOMO MDM」とベリサインの電子証明書システムを統合したサービスで、iPhone/iPadおよびAndroidに対応している。CLOMO MDMはIT管理者が従業員のスマートフォン/タブレットを管理するためのサービスで、セキュリティポリシーの適用や紛失・盗難時のリモートロック/ワイプ、VPN設定などが遠隔から行えるというもの。ベリサインの電子証明書システムが一体化したことで、社内ネットワークなどへのアクセス時に、デバイス証明書を利用した強固な認証が行えるようになった。端末へのデバイス証明書の配布/失効は、CLOUD MDMを使ってリモートで実行できる。「iPhoneとAndroidに対応した、こうしたサービスは日本初。おそらく世界でも初ではないか」と日本ベリサインの古市克典社長は説明した。サービス提供料金は1デバイス当たり年間7200円(税別)~。
「ベリサイン MDM powered by CLOMO」の利用イメージ |
ちなみに、アイキューブドの佐々木勉社長によれば、CLOMO MDMは「国内では最初にローンチした」スマートフォン/タブレットの管理サービスで、発売開始から3カ月ですでに1万をを超えるiPhone/iPadを管理しているとのこと。中古車販売のガリバーインターナショナルなどが採用しているという。
もう1つの新サービスである「ベリサイン GATE powerd by CLOMO」は、各種クラウドサービスや社内システムへのアクセス制限とシングルサインオン(SSO)を提供するアイキューブドの「CLOMO GATE」とベリサインの電子証明書システムもしくはワンタイムパスワードを組み合わせたものだ。端末側にインストールしたデバイス証明書またはワンタイムパスワードを利用した2要素認証による各種クラウドサービスなどへのSSOを実現できる。こちらはスマートフォン/タブレットだけでなくPCにも対応しており、サービス提供料金は1ユーザー当たり年間7200円(税別)~。アイキューブドからは「CLOMO GATE with VeriSign MPKI」のサービス名で提供される。
「ベリサイン GATE powered by CLOMO」の概要 |
日本ベリサイン IAS製品本部ソリューション開発部の小早川知昭部長は「クラウドとモバイルの伸びが両輪になって、企業のネットワークを変質させていく」としたうえで、「モバイル端末からクラウドへのアクセスをセキュアに行いたいという企業のニーズは確かに高まっている」と語ったが、こうしたサービスの登場によって企業がスマートフォン/タブレットを導入するための環境整備も着々と進展していきそうだ。