NTT東日本、東京ガスネットワーク、東京電力パワーグリッドの3社は2022年11月18日、社会課題の解決に向けた連携協定を締結した。今後想定される首都直下型地震等の大規模自然災害に備えるため、各社の強みやアセットを活かして相互に連携にしていく。
日本では近年、大規模な地震や台風、豪雨などが後を絶たない。こうした災害が発生するとインフラを支える企業には正確な情報発信や早期復旧が求められるが、人材も不足していくなかで、もっと協力できることがあるのではないか──。ガス・電力・通信のリーダー企業3社が相互連携する狙いは、そんなところにあるという。
「我々は早期復旧のため普段から協力・相談などを重ねてきた。そうしたなか、今夏の台風シーズン前に、災害時に限らず普段から協力できないかという話になった」とNTT東日本 代表取締役副社長 副社長執行役員の星野理彰氏は今回の連携に至った経緯を説明した。
NTT東日本 代表取締役副社長 副社長執行役員 星野理彰氏
相互連携の具体的な中身はこうだ。
「台風が過ぎ去った後をイメージしてもらいたい。まずは状況確認のため、各社がバラバラに設備を見回る。そのため、通信、電力、ガスの会社がそれぞれお同じ場所を見回るという状況になる。もっというと、災害対応に来ている人員のホテルや駐車場なども各社では個別に手配している。普段から情報を共有し、相談しあっていれば、面的な調査を手分けできるのではないか」(星野氏)。例えば橋梁の下など、災害時に共通して確認しているエリアも多い。各エリアを点検する人材を1本化することで、早期復旧にも繋がる。
災害時における連携イメージ
また災害時に限らず、平時でも業務やテクノロジー面で協力できることがあると感じていたという。「例えば、台風によってどれくらいの被害が出るかを算出するAI開発はNTT東日本でもやってるし、東京電力パワーグリッドでもやっている。老朽化したインフラを検出するために車を飛ばしたり映像で検査したりといったことも共通して取り組んでいる。こうした面で協力できないかと考えている」と星野氏は語った。