「再編アクションプラン」で2015年までに確保する方針が打ち出された移動通信向け4帯域の中で、最も割当幅が大きいのが3.4~3.6GHzの200MHz幅である。この帯域には4G、IMT-Advancedの導入が想定されており、2015年頃から利用できるよう技術基準を策定することが提言されている。ITU-Rで標準化作業が進む4Gは、移動時100Mbps 、静止時1Gbpsが開発目標とされ、それに必要な広い帯域を確保できる3~4GHz帯の利用が早くから検討されていた。
実は当初4Gの商用化時期は2010年とされたが、欧州で3Gの普及が遅れたことなどから、大幅に遅れる公算が高まった。そこで4Gの技術開発に積極的に取り組んでいたNTTドコモなどを中心に、4G向け技術を3Gの周波数帯に導入できるシステムとして実用化しようという動きが出てきた。これがLTEである。
他方、07年の世界無線会議(WRC-07)では、700MHz帯などとともに3.4~3.6GHzを3Gおよび4G用の周波数として確保することで合意。これを機に、ITU-Rでの4Gの標準化作業も本格化することになる。ITURにはLTEの後継規格となるLTEAdvancedと、WiMAXの高度化規格WiMAX2の2規格が提案されており、2012年にこの2つが4G規格として承認される見通しだ。
WRC-07での合意では、3.4~3.6GHzの運用システムを4Gに限定していない。だが、日本などいくつかの国が広帯域を生かせる4G規格を導入する意向を示しており、実質的に事業者の選択肢はLTE-AdvancedかWiMAX2の2つに絞られることになる。