ガートナー ジャパンは2011年3月23日、「東日本大震災がICT市場/産業に及ぼす影響」と題したレポートを公表した。
同レポートではハードウェア、ソフトウェア、ITサービス、通信の4つのセグメントに分けて影響を分析しているが、通信セグメント全体については「市場規模という観点での大きな変化は短期的には想定していない」という。
企業ネットワーク機器市場は、外資系ベンダーが市場の主体となっていることから供給面の影響は軽微になる見通し。とはいえ、需要は低下すると予想され、2011年度前半までは市場の低迷が予想されるという。プラス要因としては、在宅勤務社員の急増によるWAN機器へのニーズ拡大が挙げられるが、市場全体への影響という意味では軽微にとどまる。
通信インフラ市場については、移動・固定の両通信事業者がインフラ復旧のため、設備投資を増額させると見られる。ただし、通信事業者の今後の収益性が好転するとは考えにくいため大きな増額は望めず、NGNやLTEへの移行計画に遅延が出るとガートナーでは見ているという。
また、携帯電話端末市場については、供給にネガティブな影響をもたらすことが必至であり、2011年の販売台数規模は従来予測より低い水準にとどまる可能性があるとのこと。しかし、今回の災害でモバイルの有効性が改めて認識されたこともあり、スマートフォンに関しては中長期的な視点では「従来の成長シナリオを大きく見直すことは現時点では考えていない」としている。
レポートの全文は以下のURLで閲覧できる。