ルーマニアのブカレストで開催されている国際電気通信連合(ITU)の全権委員会議において、電気通信標準化局長選挙が2022年9月30日に実施され、NTTの尾上誠蔵氏が当選した。計3名が立候補する中、参加加盟国の過半数の得票を獲得した。尾上氏は、来年1月から電気通信標準化局長に就任する。
尾上氏は、LTEの標準化で中心的な役割を果たし、「LTEの父」とも呼ばれる。NTTドコモ 常務CTO、ドコモ・テクノロジ 社長などを経て、現在はNTTのCSSO(Chief Standardization Strategy Officer)を務める。
ITU 電気通信標準化局長に当選した尾上誠蔵氏
寺田稔総務大臣は、尾上氏の当選を受けて、「ITUの電気通信標準化局は、5Gやその次のBeyond 5G(6G)といった移動通信ネットワークの技術革新が急速に進む中、通信ネットワーク分野の標準化を担う国際機関として、これまで以上に重要性が高まってい」るとしたうえで、尾上氏が「今後の通信ネットワーク分野の標準化におけるルール形成の場の指導的な役割を担うことは、日本の国益に大きく資する」との談話を発表している。
今回のITU全権委員会議では、次期事務総局長、次期事務総局次長の選挙も行われ、次期事務総局長にはドリーン・ボグダン=マーティン氏(米国)、次期事務総局次長にはトーマス・ラマナウスカス氏(リトアニア)が選出された。