システム、デバイス、そしてソリューションを提供する丸文は、先端技術を取り入れたICTと、AI、IoT、ロボティクスを組み合わせたソリューションを提供している。その中でもモバイルネットワーク市場やデータセンター市場においては、ネットワーク運用と監視において“いつもの状態を知る”を実現する、「ネットワークパフォーマンスモニタリング」(NPM)のソリューションを強化している。
左からアクセディアン・ネットワークス・ジャパン カントリーマネージャの瀬戸康一郎氏、
丸文 アントレプレナ事業本部 イーリスカンパニー情報通信課 主任の相田常機氏
「ネットワークパフォーマンスモニタリング」といえば、ネットワークが急に遅くなる、使えなくなるといった際に現状を把握するためのソリューションという印象があるだろう。NPMは、ネットワークがビジネスにおいて不可欠になったいま、より注目を集めるソリューションだ。これまではポータブルなパケットキャプチャデバイスを用意し、何らかのトラブル時にそれをオンサイトで持ちこみ、情報を取得することで原因を把握するという使い方が一般的だったかもしれない。丸文が提供するアクセディアンのソリューションはその使い方をさらに1歩進め、普段のネットワークの運用監視でも活用できる方法を提供している。
企業におけるネットワークの障害対策として、通常時の監視をどうするかは、業種、業態、規模を問わず重要な課題となっている。カナダ発の企業、アクセディアン・ネットワークスのソリューション「SKYLIGHT」は、まずネットワークにセンサーとなるデバイス、もしくはソフトウェア機能を設置する。センサーが計測したデータをオーケストレーターが収集し、SaaSとして提供するSKYLIGHTアナリティクスにより統計情報を解析し、グラフィカルに表示したり、トラブルの原因追求することができる。
一般的にNPMは、テストパケットを実際に送り、その状態を観察する「アクティブテスティング」、各ネットワーク機器を通るパケットを元に解析を行う「パケットキャプチャリング」の手法がある。SKYLIGHTはこの両方が可能なソリューションだ。SKYLIGHTは、キャプチャしたパケットをそのまま取り扱うのではなく、その属性情報をクラウド上のアナリティクスに送信する。この「Per-Packet-Intelligence技術」でネットワーク負荷をかけないだけでなく、通信の内容を外部に送信することなく解析が行えるのが大きな特長だ。キャプチャを行うためには、ハードウェアとして提供されるプローブデバイスだけでなく、IAサーバーにコンテナとして実装できるソフトウェアを使うことも可能だ。パケットキャプチャリングを行うには通常、対象となるスイッチの空きポートを確保しなければならないが、このソフトウェアでターゲットポートを設定することで使えるため、インストールも増設も簡単で、拡張性が高いのもありがたい。
図表1 TWAMPを使ったアクティブテスティングと、パケットキャプチャリングの両方をカバーする