フォーステン、“久々の会心作”となるデータセンター向け40GbEスイッチで「日本での売上を2年で3倍に」

フォーステン・ネットワークスがスイッチング容量1.28Tbps、700ns以下の低遅延などが特徴のデータセンター/HPC環境向け40GbEスイッチ「S4810」ほか3つの新製品に関する説明会を行った。40GbEスイッチでのシェア50%以上を目指すという。

フォーステン・ネットワークスは2011年2月17日、1U型の10G/40GbE対応トップ・オブ・ラック(ToR)スイッチ「S4810」の出荷を開始、これにあわせて記者説明会を開催した。代表取締役社長の林田直樹氏は、「ようやくここに来て、差別化できる新製品が出てきた」と自信を見せた。

今回の説明会で紹介されたのはS4810および1U型1G/10GbEスイッチ「S60」と「S55」の3機種だ。

S4810は48ポートの1G/10Gハイブリッドポート、4ポートの40GbE QSFP+ポートを搭載したデータセンターおよびHPC(High Performance Computing)環境向けのスイッチである。

フォーステン・ネットワークス「S4810」の特徴
「S4810」の特徴

一番の特徴はやはり40GbEへの対応だ。「米国での出荷開始は昨年。他社も40GbEスイッチは発表しているが、出荷開始は私たちが最初だった」(営業統括本部システムエンジニアリング事業部シニアシステムエンジニアの池田豊氏)。また、米本社の最高マーケティング責任者を務めるアーピッド・ジョシプラ氏はフォーステンのコアスイッチおよびルーター全体にいえるアドバンテージとして、第三者機関による調査結果を例示しながら「シスコ、ジュニパーと比べても最もグリーン」な点を強調した。

S4810と他社製品の比較
S4810と他社製品の比較

さらに、1.28Tbpsのスイッチング容量、700ns以下の低遅延も重要な差別化要素であるという。前者については「1Uのコンパクトなシャーシで1テラ以上は珍しい」と池田氏。また、700ns以下の低遅延については、宛先MACのみを参照してパケットを転送するカットスルー動作の「Alternate Store and Forward(ASF)モード」により実現しているとのこと。通常のStore and Forwardとの切り替えはコマンドライン1行で可能だそうだ。

ASFモード
ASFモードにより低遅延を実現

このほか、今回説明された3つの新製品に共通の特徴として、SFP/SFP+/QSFP+オプティクスの“ベンダーロック”を解除し、サードパーティ製メディアの利用も可能にした点も挙げた。「他社は、サードパーティのオプティクスを使っている場合、障害チケットを受け付けないことがある」(池田氏)。

1G/10GbEスイッチのS60の最大のポイントは、1.25GBという大容量パケットバッファの搭載だ。他社の一般的なスイッチは2M~10MB程度しか実装していないとしたうえで、この大容量パケットバッファによりバーストトラフィック発生時の輻輳を軽減できるとした。なお、大容量パケットバッファを非搭載にしたモデルがS55となる。

「S60」および「S55」と他社製品の比較
「S60」および「S55」と他社製品の比較

フォーステンにとって今回出荷を開始した40GbEスイッチ、S4810は特別な意味をもつ製品のようだ。フォーステンの日本法人設立は2002年。「初の10GbEで名を馳せた」が、その後は他社との差別化で苦しんだ。しかし、「ここに来て、非常に市場にはまる製品が出てきた」と林田社長は話した。

他社と戦える武器を手に入れた林田社長が掲げる目標は高い。日本における売上目標は「2年で3倍」。また、シェアは10GbEスイッチで10%、40GbEスイッチで50%以上を目指すという。この目標を達成するために今後、二次代理店網の充実やサポート体制の強化、ブランド力向上のためのPR・マーケティングなどに注力していくとのことだ。

「S4810」と「S60」

「S4810」(右)と「S60」

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