古河電気工業は2022年7月末に、同社のルータブランドであるFITELnet FXシリーズの新製品「FX2」を発売する。
FX2は1RUサイズの通信事業者向けサービスルーターだ。100G/40Gを4ポート、1G/10G/25Gを24ポート搭載。複数台を1台の装置として運用可能とするクラスタ機能にも対応する予定で、最大4台構成では1G/10G/25Gを96ポート、最大800Gbpsとなる。
3台でのクラスタ構成例
IPsecの中継性能は、1RUボックス型では最高クラスの性能となる最大200Gbpsを実現。従来機種と比較して約15倍に向上しているため、IPsecであっても100Gの帯域を有効に活用できるという。
SRv6やEVPN、MPLS等の高機能なデータプレーンを実現するための「フルプログラマブルプラットフォーム」として設計されていることもFX2の特徴であり、通信事業者の多種多様なネットワークサービスに対応できる。
CPUコアのアサインを自由に設定できる「Flexible Core Assign」機能にも対応する。平文のみであれば中継処理に多くコアを割り当てる、IPsec処理が多ければ暗号処理に多くコアを割り当てるなど、使用用途に応じてCPUの潜在能力を引き出すことができる。
こうした柔軟性と拡張性の高さが、FX2の大きな特徴と言える。
加えて、高速かつ柔軟なQoS(Quality of Service)やフロー検索を実現するためのアクセラレータFPGA(Field Programmable Gate Array)を新規開発している。このほかにもFPGAを活用した新たな付加価値を検討中だ。
通信事業者様は、提供したいネットワークサービスに応じた機能拡張ライセンスを選択することで、導入コストを最適化することが可能だ。また、加入者数の増大に応じてスケール拡張ライセンスを追加することもできる。
FX2の外観
最後に、古河電工はFX2で、ゲートウェイ機として初めてLinuxコンテナ機能の対応を予定している。CPE監視やフローサンプリングといった様々なアプリケーションを自由にアドオンすることが可能になり、ホワイトボックス製品のような高い拡張性を実現するとしている。