<特集>ローカル5G NEXT徳島でローカル5G革命 県内10カ所にエリア構築

県内10カ所でローカル5G基地局の設置を進めている徳島県。充実した光ファイバーネットワークを基盤に、ローカル5Gで医療や防災などに使える高速大容量のネットワークを整備しようとしている。

阿波踊りに、鳴門の渦潮─―。徳島県には数多くの名物があるが、実はあまり知られていない名物もある。日本トップクラスのブロードバンド環境だ。

ケーブルテレビサービスの世帯普及率は2018年時点で90.7%、学校の教室LAN整備率も「GIGAスクール構想」の開始前である2015年時点で97.1%を誇っていた。「山奥など県全域で光ファイバーを潤沢に使える環境がある」と徳島県 政策創造部地方創生局 デジタルとくしま推進課 5G担当室長 佐光広格氏は紹介する。

徳島県 政策創造部地方創生局 デジタルとくしま推進課 5G担当室長 佐光広格氏
徳島県 政策創造部地方創生局 デジタルとくしま推進課 5G担当室長 佐光広格氏


光ファイバーを全県下に張り巡らせた理由は2003年まで遡る。当時は地上テレビのアナログ放送からデジタル放送への移行期。デジタル放送は、アナログ放送のVHF帯より高いUHF帯を用いるため、県外からの電波が届かなくなる。徳島県では約7割の世帯が近畿など県外の放送を視聴しており、多くの県民がテレビを今までより楽しめなくなる状況にあった。

その対策として、「全県CATV網構想」を打ち出したのが、今も現職の飯泉嘉門知事だった。全県でケーブルテレビを視聴できるように光ファイバー網を整備。県土の75%が森林を占める環境でありながら、現在、過疎地も含むほぼ全県域でCATV網による高速インターネットを利用できる。

そして今、徳島県は、「徳島5G革命」の実現を目指している。少子高齢化による人口減少や多発する大規模災害などの課題解決に、5Gを活用して取り組む。潤沢な光ファイバーネットワークに、5G/ローカル5Gを組み合わせ、徳島県内のあらゆる分野でデジタルトランスフォーメーションを図る構えだ。

月刊テレコミュニケーション2021年7月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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