無線LANのニューノーマル Wi-Fi 6が中小企業にも普及

新型コロナの脅威が収まらない中、リモートとオフィス両方を使い分けるハイブリッドワークが増えている。Wi-Fi 6のソリューションも市場に出揃い、企業がネットワーク環境をアップデートする時期が来ている。

「リモートワーク環境を本格的に整備し直したいと考える企業が増えている」。アライドテレシス 執行役員 経営企画室 室長の高橋典央氏はこのように話す。

背景にあるのは言うまでもなく、新型コロナウイルス感染症だ。日本政府は1月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都と神奈川、埼玉、千葉の3県に緊急事態宣言を発令。14日時点で合計11都府県まで対象を拡大している。緊急事態宣言は2020年5月に解除されて以来であり、「オフィス回帰」を図っていた企業においても再びリモートワークでの事業継続の必要に迫られている。

リアルは捨てないただ、緊急事態宣言が出る前から一部の企業は、ネットワーク環境の強化を急いでいた。リアルな場でのオフィスワークと、自宅やサテライト拠点などで行うリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークを推進し、生産性を高めるためである。

リモートワークは普及したが、一部の企業にとっては「リアルな場の価値はかえって高まった」とジュニパーネットワークス Mist事業部 コンサルティングシステムズエンジニアの林宏修氏は指摘する。

例えばグーグルは2020年12月、新型コロナウイルスが終息後、週に最低3日はオフィス勤務として、残りの日はリモートワークを許可する、というワークスタイルにすると発表している。多くの従業員がフルリモートワークを希望せず、時にはオフィスに戻りたいと希望したためだという。

リアルな場での雑談が新しいアイデアを生み出すきっかけになることは少なくない。しかし、リモートワークが増えれば従業員間の雑談は減る。また、オフィスに通勤する方が公私を分けやすく、生産性が高まると感じている従業員もいるだろう。こうした側面からリアルな場で働く価値は高まっていると感じる企業が増えているのだ。

ハイブリッドワークでは、オフィスや自宅等に分散して働く従業員をつなぐネットワークの進化が重要になる。感染症対策のためには、オフィスにおいても従業員同士のソーシャルディスタンスを確保するために広いエリアに無線環境を構築する必要があるし、無線により従業員の位置情報を測位して“密”を避ける取り組みも有効だ。

在宅勤務においても、オフィスと同等のセキュリティや、多人数が参加するWeb会議でも映像や音声が途切れないような安定性を確保した無線環境が必要となる。また、ネットワーク担当者が自宅からでも各拠点のネットワークを管理し、トラブル対応できるような環境も必要だろう。ハイブリッドワークには、その土台となるネットワークのアップデートが欠かせない。

月刊テレコミュニケーション2021年2月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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