データ保護にはベンダーの統一が効果的5G/Edgeクラウドに不安を抱える企業は2/3以上

企業にとってデータの価値が高まる中で、データを保護する必要性も高まっている。デル・テクノロジーズの調査からは、多くの企業がデータ保護を重視しながらも、その方法に不安を抱えていることが明らかになった。AI技術や5G、エッジコンピューティングなどの領域に投資を行いながらも、そうした新技術とデータ保護の両立の方法が分からないという悩みも多い。

デル・テクノロジーズは2020年4月23日、「データ保護に関する最新グローバル調査結果 記者説明会」と題したオンライン記者説明会を開催した。これは2年ごとに、デルが米国の調査会社Vanson Bourneに委託して、グローバル18カ国のIT意思決定者を対象に行っている調査結果を報告するもの。

「調査の目的はヒアリングを通じて、現在および将来的なデータ保護の課題を明確化することだ」とデル・テクノロジーズDPS 事業本部 シニア ビジネス ディベロップメント マネージャーの西頼大樹氏は説明した。

調査はグローバルで行われた。企業・組織がデータ保護を考える上での
ベンチマーク情報を提供することも目的だ

ダウンタイム/データロスを経験する企業が増加まず、西頼氏が指摘したのはデータの量とその価値が引き続き上昇傾向にあることだ。「前回調査から企業内で管理するデータ量は40%も増えた」。また、現時点でデータから収益を挙げている企業、そして将来収益化するためのツールに投資している企業の割合も増えている。

その一方で、今回の調査で見つかった課題として「目立ったのが、データロス(紛失)。それとサイバー攻撃などによりデータにアクセスできなくなり、決められた時間内に復旧できない、という経験をした企業の割合が増えている」ことだという。

過去12カ月に発生したインシデントの経験割合。特に中央にある「データロス」「サイバー攻撃やサイバーインシデントによるデータアクセス阻害」の増加を西瀬氏は問題視した

データが失われると、そのデータをもとに提供しているサービスなども止まる。「デジタルデータを使うサービスへの期待値は高まっている。データがなくならなくとも、(復旧に時間がかかり)サービスが停止すれば損失に繋がる」と西瀬氏は説明した。

また、多くの企業がデータ保護の方法に不安を抱えていることも判明した。「データロス時の復旧に自信がないと答えた企業は64%。サイバー攻撃を受けた時の復旧には7割近くの企業が自信がないと答えた」

サイバー攻撃を受けた際に、データを復旧できる自信のある企業は多くない
現状でも不安を抱えている上に、企業は新技術の導入による環境の変化にも対応しなくてはならない。例えば、クラウドネイティブなアプリケーションや、AI(人工知能)/ML(機械学習)、5G/クラウドエッジ環境といった新技術に多くの企業が投資を行っているものの、これらの新技術を踏まえた最適なデータ保護ソリューションを見つけられていないと多くの企業が回答した。

新技術を導入すると「複雑性が増す」(西瀬氏)。そのためデータ保護も難しくなる

こうした新技術は、「リスクポイントを増やしかねない」と西瀬氏は指摘した。

5G/クラウドエッジ環境の導入を例にとると、「5Gのネットワークが使えるようになると、企業のネットワーク構成が変わる。例えば、流通・小売りなどでは従来はどこかのデータセンターに集約していた各拠点・店舗のネットワークが、直接クラウドとインタラクティブに繋がるようになる。こうした各拠点をコンパクトに保護する方法が課題になる」と西瀬氏は語った。

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