国内1号ユーザーは日本通運、インテルが物流向けIoT基盤を本格展開

インテルが物流業界向けのIoTプラットフォームを国内で本格展開すると発表した。センサー/ゲートウェイとデータ収集・分析用クラウドをセットで提供するもので、輸送物の温湿度や傾き、振動等をセンシングして輸送状況をリアルタイムに可視化する。ファーストユーザーである日本通運が、これを基盤として2019年2月から物流サービスを提供している。

インテルは2019年3月28日、物流業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する取り組みとして、同業界向けのIoTソリューション「インテル コネクテッド・ロジスティクス・プラットフォーム(インテルCLP)」を国内で本格展開すると発表した。

報道向けに同日実施したセミナーで代表取締役社長の鈴木国正氏は、昨年12月から新たな市場機会の創出に向けて社内に戦略チームを立ち上げたことを報告。そのミッションの1つとして、特定の産業に特化してビジネス機会を深掘りし、顧客やパートナーと共同でDXによる新ビジネス創出を進めていく方針を述べた。これまで数多くの顧客企業のトップと議論を進めてきたなかで、「何かを仕掛けなければならないという認識を、ほとんどの方が持っている。投資はこれからというケースが多いが、(DXへの)意識は非常に高い」ことを感じたという。


インテル 代表取締役社長の鈴木国正氏(左)と
執行役員 インダストリー事業本部長のチョウ・ライ氏

今回発表したインテルCLPも、特定産業向けの取り組みの1つだ。物流業界、特に国際輸送の現場で課題となっている輸送貨物の損傷、遅延、盗難等の被害を軽減するために、輸送状況のリアルタイムな可視化を実現する。インテルの執行役員でインダストリー事業本部長を務めるチョウ・ライ氏は、「損傷の早期発見や損傷状況の把握、さらに輸送経路の最適化等によってリスクとコストの削減が可能になる」と述べた。

インテルCLPは、3つのコンポーネントで構成される。貨物に取り付けて温湿度や衝撃、傾き等のデータを計測するセンサー・タグと、データの収集・送信を行うゲートウェイ、そしてクラウド基盤だ。


インテルCLPによる可視化ソリューションのイメージ

ライ氏によれば、センサー・タグは低コストなため「使い捨て」が可能。これにより、「デバイスの回収コストも削減できる」という。なお、センサー・タグからゲートウェイ、クラウドへのデータ送信には、独自の無線センサー・プロトコルを用いている。

収集したデータはクラウドで分析され、ダッシュボード画面でグラフ化。温度の逸脱などの異常を検知した場合には関係者に通知する。医薬品や精密機械など、厳格な温度管理、高度な輸送品質が要求されるケースにも対応可能という。

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