NECとNTTドコモは2018年11月19日、5Gの高速移動環境での検証実験を開始したと発表した。Massive MIMOアンテナを搭載した5G基地局が、5G移動局の高速移動環境においても大容量・高速・高品質な通信を実現可能であるかを検証する。
Massive MIMOは、5Gの要素技術の1つ。特定の方向に対して電力が高く、その他の方向には電力が低いビームを形成することで、信号品質やデータ伝送速度の向上を可能にする。実験では、4.5GHz帯に対応したNEC製Massive MIMOアンテナ搭載5G基地局を使用する。4.5GHz帯は、5Gの商用周波数候補の1つ。
Massive MIMOアンテナを搭載した基地局
すでに実験の第1弾として、茨城県つくば市の国土技術政策総合研究所において、最高時速120kｍで走行する自動車に搭載した5G移動局と、テストコース脇に設置した5G基地局との間での無線データ伝送を行っている。
この実験では、時速120km走行時にMassive MIMOアンテナのビームが移動局を追従すること、移動局静止時の最大下りデータレートである705Mbps（100MHz帯域幅、2×2MIMO伝送）と同等の性能で通信可能であることが確認できたという。
国土技術政策総合研究所での実験に用いた移動局
NECとNTTドコモは今後、都市部や地方など様々な条件・環境下で、走行中の自動車や列車などに5G移動局を搭載し、観光や医療など多様なユースケースを想定した検証を行っていく予定だ。
