5G実用化へ準備は着々 ―― ノキアが“商用製品ベース”で先端技術を展示

ノキアソリューションズ&ネットワークスが2018年11月7日、東京六本木でプライベートイベント「Nokia Connected Future 2018」を開催し、5Gを支える各種技術を披露した。5G無線基地局や、ネットワークスライシングを実現するオーケストレータなど、商用製品をベースとした展示を行い、5Gインフラ構築への準備が着々と進んでいることをアピールした。

2020年の商用サービス開始に向けて、携帯電話事業者各社が5Gの実証実験、トライアルを活発に行っている。

そのなかで存在感を高めているのがノキアだ。2017年にNTTドコモ、KDDIと5Gの実証実験を行ったのに続いて、2018年4月にはソフトバンクと、そして10月には楽天モバイルネットワークとも5Gの実証実験を実施した。ノキアソリューションズ&ネットワークスでテクノロジー統括部長を務める柳橋達也氏は、「4社と実証実験を行っているのはノキアだけ」と、日本市場でも5G商用可に向けた取り組みが加速していることをアピールした。


ノキアソリューションズ&ネットワークス テクノロジー統括部長の柳橋達也氏

こうした実績を背景にNokia Connected Future 2018では、携帯電話事業者が今すぐにでも展開可能な商用製品を使って、5G関連の多彩な展示やデモが行われた。

目玉の1つが、5Gの超低遅延通信を活用したVR(仮想現実)のデモ「5G VRフットボールペナルティキック」だ。その名の通り、VRゴーグルを装着してバーチャルなゴールキーパー(GK)と対戦するものである。

ゴーグルを装着した人(以下、ユーザー)の動きはカメラ映像によってキャプチャされ、仮想空間のピッチ上で移動したり、ボールを蹴ることができる。仮想のGKはそのユーザーの動きを読んでボールを止めようとする。


5G VRフットボールペナルティキックのデモ。ゲーム形式でLTEと5Gの差を体感できる

ユーザーの動きをクラウドに伝える際に5Gの超低遅延通信を使うことで、タイムラグが非常に少ない処理が可能になる。説明員によれば、ユーザーと、クラウド上で処理が行われるGKとの駆け引きに、LTEと5Gの差が生じるという。GKは、ユーザーの動きを示すデータを受け取り、それを基に反応する。このデータをLTEを使って送信した場合、通信遅延が大きいためGKの動きが遅れ、PKの成功率は高くなる。

対して、5Gの超低遅延通信を使った場合にはユーザーの動作が瞬時にクラウドに伝わるため、GKの反応速度が向上するというわけだ。このように、このデモではゲーム形式で5GとLTEの違いを体感することができる。

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