企業ネットワーク最前線

プライベートLTEの衝撃(後編)

プライベートLTEを構築しよう! 日本ではsXGPが一番手

文◎藤井宏治(IT通信ジャーナリスト) 2018.06.12

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

日本でのプライベートLTE構築の具体的な選択肢となり得るのが「sXGP」だ。今秋には製品展開もスタートする。日本でもsXGPの登場でプライベートLTEが本格的に始動することになりそうだ。

 
ミッションクリティカルなユースケースにも対応できる自営無線として、海外で導入が広がりつつある「プライベートLTE」。では、日本でプライベートLTEを実現する方法はあるのだろうか。

約3年前からプライベートLTEの事業化に取り組んできた富士通で、ネットワークソリューション事業本部モバイルソリューション事業部長を務める水野晋吾氏は「本当に国内で立ち上がるか、まだ模索している段階」としながらも、その実現手段として2つの技術に注目していると明かす。

富士通 ネットワークソリューション事業本部 モバイルソリューション事業部長 水野晋吾氏
富士通 ネットワークソリューション事業本部
モバイルソリューション事業部長 水野晋吾氏



1つめが、デジタルデバイドの解消などを目的に2008年に導入された地域BWAだ。市町村単位の免許制となっており、2018年3月1日時点ではCATV事業者や自治体など63社・団体に利用されている。当初から用いられてきたWiMAXに加えて、2014年には高度化システムとしてLTE(AXGP、WiMAX R2.1 AE)の利用が認められたことで、「プライベートLTE」に活用できる可能性が生まれた。

地域BWAの運用周波数帯(2575~2595MHz)は、LTEの国際バンドの2.5GHz帯(日本ではUQコミュニケーションズとWireless City Planningが利用)に包含されているため、市販のスマートフォンやデータ端末が活用でき、ネットワーク機器も調達しやすい利点がある。

とはいえ、単なるインターネット接続にとどまらない地域貢献型サービスの提供が免許付与の条件となっているほか、免許が受けられるのは各市町村で1社に限られるなど、利用のハードルは高い。

既存LTE端末をそのまま利用2つめが、今秋から製品展開が始まるLTEベースの新デジタルコードレスシステム「sXGP」だ。
初のTELEC認証sXGP端末「BLADE V8Q」(ZTE製)
初のTELEC認証sXGP端末
「BLADE V8Q」(ZTE製)

sXGPは、PHSやAXGPの標準化を行ってきたXGPフォーラムが、事業所コードレスに用いられている自営PHSの後継として規格化した技術である。日本でデジタルコードレス電話に利用されている1.9GHz帯自営無線バンド(1893.5~1906.1MHz)が、チャイナモバイルの商用LTEサービスに使われている1.9GHz帯(バンド39)に包含されることに着目。仕様を共通化することで、すでに市場で大量に流通しているバンド39対応端末を子機として利用することを狙って開発された。実際、sXGPでは、端末メーカーが改めてTELEC認証を取得する必要はあるものの、市販のスマホに一切手を加えることなく利用できる。

新たなデジタルコードレス電話として規格化されたsXGPだが、最近はむしろ、免許を取得せずに利用できるアンライセンスバンドIoT無線システムとしての期待が高まっている。


「sXGPの用途にはもちろん事業所コードレス電話の置き換えがあるが、それはワン・オブ・ゼム。音声だけでなく、監視カメラやデジタルサイネージのような大容量データ伝送まで1つのネットワークで対応できるアンライセンスバンドのIoT無線システムであることがsXGPの本質」と今年1月に初のsXGPアクセスポイント製品を投入したバイセルズ・ジャパンJapan BD Directorの日比紀明氏は語る。

バイセルズ・ジャパン Japan BD Director 日比紀明氏
バイセルズ・ジャパン Japan BD Director 日比紀明氏


プライベートLTEの構築手段として世界市場で注目を集めているMulteFireは、法整備がなされていないため国内ではまだ利用できない。そのため日本では当面、sXGPがプライベートLTEの主役となる。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

1810yamaha
1810watchguard
1810macnica

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】LPWA、再加速
●Sigfox&LoRaの現在地/●注目の新興LPWA「Zeta」「ELTRES」の勝機/●アナリストが見通すLPWAの今とこれから/●セルラーLPWAが本格開始!ドコモ、KDDI、ソフトバンクのIoT無線戦略

●東大 江﨑浩教授インタビュー「デジタルとリアルの逆転経済へ」/●対応急がれるISDN&PHSマイグレーション/●ワイヤレスファースト!クラウド型から始まるネットワーク変革/●A10のCEOが語る「5G網の防衛術」/●産業制御システムの守り方とは?

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

ヤマハどうする?データ/音声に使用中のISDN移行問題

モバイル回線へのマイグレーションで、BCP対策との一石二鳥を実現!

MI「止まらない」M2M/IoTルーターで低コストに3G/LTEへの移行を可能に

現行の設備はそのまま、ISDN/PHSを安価にIPへ移行できる!

ハイテクインター数十km先を高速でつなぐ屋外無線
PoEも900mまで延長できる!

ネットワークの“難所”で高速・安定通信を実現するハイテクインター

NECマグナスコミュニケーションズPHS/ISDNからLTEへ簡単移行!

NECマグナスの音声対応LTEルータ「uM320V」なら既存設備はそのままでLTEへ移行できる。

日本ソルテックライセンス管理も楽なクラウド管理型Wi-Fiで、全国拠点を簡単運用

柔軟なライセンス体系と優れたコストで好評なZyxel社のNebula

ゾーホージャパン低価格フローコレクターで
シスコ機器を使い倒そう!

シスコ機器が備えるNetFlowやIP-SLAを活用し、きめ細やかな監視を!

リバーベッドテクノロジーアプリの体感品質を可視化 そのトラブル解決に留まらない効果とは?

「SaaSのレスポンスが遅い」。IT部門の悩みをリバーベッドで解消!

ライトL3スイッチ「SWX3100-10G」行き詰まる小規模NWを変革しよう

高価なレイヤ3スイッチには手が出ないが……。そんな悩みに、新たな選択肢をヤマハが提供する。

IntelligentAVAIエンジンで未知の脅威も自動検知

ウォッチガードのUTMに、マシンラーニングでマルウェアを検知する「IntelligentAV」機能も加わった。

Gigamon通信事業者での採用実績多数!
セキュリティ機器コストも大幅削減

今注目のネットワークパケットブローカー。そのNo.1メーカーとは?

PRTG Network Monitorネットワーク監視を簡単スタート!

NW監視の重要性は分かっているが、人材も予算も不足――。そんな企業に知ってほしいのが「PRTG」だ。

Big Switch Networksウンザリする運用管理とサヨナラ

大量のスイッチを個別に設定・管理する従来型NW運用を、Big Switch NetworksのSDNで革新しよう!

ユニアデックス次世代のネットワーク運用とは?

先進企業はもう始めている「Big Cloud Fabric」によるネットワーク運用変革を事例に学ぶ。

リボン・コミュニケーションズ多様なリアルタイムコミュニケーションでシームレスな通信を実現!

SBCを強みとする2社が合併して誕生したリボン・コミュニケーションズ

SAS Institute Japanデータ解析、もうやり尽くしたと思うのはまだ早い

さらなる品質改善やコスト削減を実現したあの先進企業とは?

アクセスランキング

tc1809
ws58

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます