NTTが描くアクセス網の将来像――次世代ネットワーク構想「NetroSphere」は第2段階へ

NTTが発表した新技術「FASA」は、仮想化技術によってネットワーク装置を部品化するというコンセプトをアクセス網に拡張するものだ。これにより、次世代網構想「NetroSphere」の取り組みは第2段階に入る。

NTTは2月、次世代ネットワーク構想「NetroSphere」の基盤技術の1つ「FASA(Flexible Access System Architecture)」を発表した。

NetroSphereのコンセプトは、キャリアネットワークを構成する専用機器の機能を分解して「部品化」し、これを自由に組み合わせることで必要な機能や容量を迅速かつ低コストに提供できるようにするというもの。これによって、多くのサービス事業者を呼び込み、高信頼なキャリア網上で多彩なサービスを提供するための基盤を実現しようという狙いだ。

その実現に向けてNTT研究所は昨年から、エッジ・コアルーター等の機能を部品化し、汎用ハードウェアを組み合わせて広域ネットワークを実現する「マルチサービスファブリック(MSF)」と、キャリア網の機能を多様なアプリケーションから共通的に利用できるようにする「新サーバアーキテクチャ(MAGONIA)」の開発を進めてきた。

FASAはこのコンセプトをアクセスネットワークに拡張するものだ。具体的には光アクセス装置─通信局舎に設置されるOLT(Optical Line Terminal:光加入者線終端装置)の機能を部品化して自由に組み合わせられるようにする。

NTTアクセスサービスシステム研究所 光アクセス基盤プロジェクト 光アクセス基盤SEグループ 主任研究員の浅香航太氏は「アクセス装置の実装にまで踏み込んだ部品化の取り組みは、我々が知る限り世界で初めて」と話す。

NTTアクセスサービスシステム研究所
NTTアクセスサービスシステム研究所 光アクセス基盤プロジェクト 光アクセス基盤SEグループ 主任研究員の浅香航太氏(左)と、アクセスオペレーションプロジェクト オペレーション方式SEグループ グループリーダ 主幹研究員の井上貴司氏

月刊テレコミュニケーション2016年4月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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