企業ネットワーク最前線

「M2M専用SIMが我が社の武器!」、世界的M2M企業との提携でIoTビジネスを伸ばす

文◎坪田弘樹(編集部) 2015.07.21

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

「M2M専用SIM」を差別化要素に、IoT/M2Mビジネスを広げようとしている国内企業がある。組み込み開発を主軸事業としているマイクロテクノロジーだ。M2M専用SIMを提供するKORE Wireless 社と提携し、テレマティクス事業などを展開している。

IoT/M2Mの潮流に乗り、ビジネスを伸ばそうとしている企業は数多いが、組み込み開発と業務システム開発をコア事業とするマイクロテクノロジーもその1社だ。既存事業をベースとしながらIoT/M2Mに取り組んでいる。

ここ2年、実績を積み重ねてきたのがテレマティクスの分野だ。「組み込み開発の技術・知見と社内のリソースを上手く活かせる分野としてIoT/M2Mのビジネスを進めてきた」と、営業本部長兼IoT事業推進室長を務める執行役員の石松頼昌氏は話す。

マイクロテクノロジー 石松頼昌氏
マイクロテクノロジー 執行役員 営業本部長 兼 IoT事業推進室長の石松頼昌氏

同社はECU(エンジン電子制御ユニット)開発支援ツールをはじめとする自動車向けの組み込み機器/ソフトウェア開発を事業の柱としており、自動車制御の土台となるCAN(Controller Area Network:車載ネットワーク)から情報を取って見える化し、そのデータを機器制御や管理に用いるノウハウを持っている。

これと通信回線、M2Mアプリケーションを組み合わせて、業務車両の走行履歴管理や車両診断、メンテナンス等を行うフリートマネジメントサービスを国内外で展開中だ。一般的な車両以外にも、建設機械や船舶の積荷など適用範囲は広い。

また、テレマティクス以外にも、M2Mの適用先とアプリケーション開発の範囲が広がってきているという。「昨年は実証実験の話が多かったが、2015年からは本番稼働になりそうだ」と石松氏は手応えを口にする。

193カ国500以上のキャリア対応のKORE社と提携同社のIoT/M2Mビジネスにおいて最大の差別化ポイントとなっているのが「M2M 専用SIM」だ。世界各国の通信キャリアと接続可能なグローバルM2Mプラットフォームを持つ米KORE Wireless社と独占パートナーとして提携し、KORE社のSIMを使ってM2M特有の課題を解決している。

1つが通信料金の安さだ。最近はMVNOを中心に通信容量・速度を制限した安価なSIMが増えているが、その中でも最低水準の月額300円でSIMを提供している。テレマティクスで利用するデータ量は月間1MBもあれば十分なため、料金を低く抑えられる。車両・走行履歴管理や通知といった機能を利用するためのサービス料980円と合わせて、車両1台あたり1280円で提供している。

テレマティクスサービスの運行情報画面
テレマティクスサービスの運行情報画面

2つめが接続キャリアの豊富さだ。KORE社はMVNOおよび買収によって自社のM2Mプラットフォーム「PRiSM Pro」と多数のキャリア回線を接続する戦略を進めている(図表)。

図表 KORE Wireless社のサービスイメージ
KORE Wireless社のサービスイメージ

193カ国500以上のキャリアと接続が可能で、世界各国の2G/3G/LTE、衛星回線を目的に応じて単一プラットフォームで利用できる。なお、KORE社の顧客は現在1500社、350万のデバイスにSIMを提供しているという。

そのため、日本企業が海外にM2Mを展開する場合にも、回線の開通・休止・閉鎖をPRiSM Pro上で一元管理できるほか、請求やサポート窓口等も集約できる。複数キャリアと個別に契約するのと比べて管理が容易で、運用コストの削減に大きく貢献できる。

NTTドコモが加盟するM2M World Allianceのように、各国キャリアが提携してM2Mサービスを提供する動きも広がっているが、その場合でも回線開通・閉鎖等のオペレーションまで一元化するのは難しい。一方、KORE社の場合はMVNOとして各キャリア回線と接続し、PRiSM Proで管理できるため、機器や車両の利用状況に合わせて回線を一時的に停止したり再開することが可能だ。通信料金の値付けも柔軟にできる。

実はKORE社は日本のキャリアと直接接続しておらず、マイクロテクノロジーのテレマティクスサービスのユーザーも国内で車両管理を行う場合は、シンガポール・テレコム傘下の豪オプタスの回線等を使用している(ローミングでドコモ網を利用)。

「いつでも止めたり再開できて、ワンストップでサポートが受けられるのが受けている」と石松氏は話す。

続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

microfocus2009
hitec2009
empirix2009

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】CPS/デジタルツインと
        エッジコンピューティング

●融合する現実世界と仮想空間 ●IOWNでヒトもデジタル化 ●CPSが製造業の切り札に ●エッジAIの実装入門 ●ドコモとNTT東に聞く“キャリアのエッジ”

[インタビュー]情報セキュリティ大学院大学 後藤厚宏学長「サイバー大災害はあり得る セキュリティの自給構造を」 [ソリューション特集]IDaaSのメリットと使い方 【IoT×SDGs】IoTを活用した環境移送技術で、サンゴを絶滅から守る 【技術&トレンド】AIがRANを進化させる日 ほか

>>詳しい目次を見る

スペシャルトピックス

スリーダブリューローカル5G局開設を全段階で支援
レンタルでコスト障壁に挑む

ローカル5G向けの基地局レンタルパッケージが提供開始!

マイクロフォーカスそのDevOps、個別最適になっていませんか?

全体最適を目指すならマイクロフォーカスの「Enterprise DevOps」

NVIDIA EGXエッジAIの最適解はGPUにあった!

NVIDIA EGXでエッジコンピューティングの課題を解決し、「スマートエブリシング革命」の実現を!

IDaaSクラウド時代の新常識! 今こそIDaaSを導入すべき3つの理由

クラウドを活用するなら、ID/アクセス管理もクラウドに!

ローデ・シュワルツローカル5Gの測定ニーズの
全てに応えるローデ・シュワルツ

設備構築時の干渉調査・エリア確認、運用開始後の管理までカバー!

MOVEit「パスワード付き圧縮ファイル」
にはもう頼らない!

多様なニーズに対応したファイル転送の姿とは?

Gigamonコロナ禍による通信量の増大に対応

モニタリング、セキュリティ装置の負荷軽減や運用効率化を実現するGigamon社の先進的なL1スイッチ!

ネットスカウトシステムズNWを堅牢にしながらDDoS対策も
ニューノーマルのセキュリティ対策

テレワークのセキュリティと可用性を同時に高める方法があった!

マイクロフォーカス通信キャリアの運用監視をDX

HPEのソフトウェア部門を統合したマイクロフォーカスに、通信キャリアの課題と解決策を聞いた。

tcs-8500遠隔診療がWeb会議でいいはずない!
ノイズなし4K映像伝送を低価格で

医療現場で求められる高画質・低遅延を1台で実現する「TCS-8500」

エンピレックス通信事業者にワンランク上の可視性を

5G時代、キャリアは運用の一層の効率化を迫られるが、クラウドネイティブならトータルコストも削減できる!

KDDIどうする? テレワーク移行時の意外な盲点「固定電話」の取り次ぎ

「固定電話の番のためだけに出社」から脱却するには、何が必要だろうか。

Tocaro仕事を終わらせるビジネスチャット

CTCのビジネスチャット「Tocaro」は、豊富な機能により、プロセス管理や生産性向上も実現できる。

Cisco Meraki Z3全社員が在宅勤務可能な環境をCisco Meraki Z3でシンプルに即実現

<導入事例>検証から実導入までを驚くほどのスピードで!

キーサイト・テクノロジー光集積デバイスに必要なスピーディ
かつ高確度の測定を実現

1Tbpsの次世代光の確立へ、光集積デバイスに最適な光測定製品!

マイクロフォーカス岐路に立つ通信事業者の運用管理
属人・サイロ化から脱却するには?

通信事業者の運用管理に、マイクロフォーカスが"特効薬"を提供する!

シスコシステムズいま知るべき5Gのセキュリティ脅威
大変革時代を「シスコはこう守る」

5G網は様々なサイバーリスクを内包する。シスコはどう対抗するのか。

ホワイトペーパー

アクセスランキング

tc_banner191122

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2020 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます