――2020年6月に社長に就任しました。
高橋 通信業界の話題と言えばやはり5Gですが、グローバルから見た日本市場の特徴は、新しいことにいち早く取り組み、イノベーションをリードする“先駆者”的な通信事業者がいることです。ですから、お客様の課題やチャレンジしたいことについて、情報をいち早く得られます。
その意味で日本はシエナ本社からも非常に注目されており、情報はR&D部門と共有しています。
日本シエナコミュニケーションズ 代表取締役社長の高橋一泰氏
――5Gはネットワークの機能や構成、そして通信事業者の収益モデルの観点でも、以前と大きく異なります。今、注力しているポイントは。
高橋 メトロとエッジです。このアーキテクチャを新しいものに変えていくことに取り組んでいます。
5Gは、高速大容量や低遅延を実現し、企業がそれを活用してDXを進めることを目的としています。つまり、ネットワークの使い方が多様化し、通信事業者はそこで新たなサービスと収益モデルを創ろうとしています。
ただし同時に、トラフィック需要に応え、セキュリティや可用性の向上も継続的に求められています。
これを両立するには、過剰なくらいにネットワーク容量を用意しておく従来のCAPEX、OPEXの考え方では難しくなります。必要なところにリソースを動的に割り当て、ネットワーク全体で最適化する新しい使い方が求められますが、それには、もっと効率的な仕組みに変えなければなりません。特に注力すべきなのが、メトロとエッジの変革です。