ワイヤレスジャパン2010の中でも一際大きなスペースを持つ大塚商会ブースには、iPhone、Windows Phone、Android端末などのスマートフォンとiPadがところ狭しと並んでいる。テーマは、モバイル端末を活用した社外業務効率化提案だ。「モバイルワーキング」「リモートアクセス」など、情報漏えいや不正アクセスを排除しセキュアな環境を保ったまま、外出先から社内データにアクセスして業務を継続するためのソリューションの数々が紹介されている。
●iPadは「エグゼクティブの見方」
社外での業務中、あるいは移動中に使いたいものとして最初に浮かぶのはメールやグループウェア、スケジューラだろう。そんなときに役に立つのが、モバイル端末からセキュアに社内データにアクセスできる法人向けソリューション「CACHATTO(カチャット)」だ(提供:いいじゃんネット)。
Lotus NotesやMicrosoft Exchange、サイボウズ、desknet’sなどシェア上位のシステムに対応しており、端末も、従来の携帯電話はもちろん、iPhone、Windows Phone、Android端末、さらにiPadでも利用可能と幅広い。これらの端末からSSL通信ベースのCACHATTOネットワークサービスを利用して社内システムにアクセスできる。既存の社内環境を生かしてリモートアクセス環境が構築できるのが利点だ。
ブース内では各種端末で実際に操作感を確かめることができる。やはり注目はiPadだ。魅力は、なんといっても大きな画面と操作性。スマートフォンと比べると、視認性が圧倒的に優れ、しかもノートPCよりも起動が早く、軽快に操作できる(写真)。説明員によれば、「特に50代以上のエグゼクティブからの評判がいい。スマートフォンや携帯電話だと画面が見づらいうえに操作もしにくいと言っていたお客様でも、iPadなら大丈夫と言われる」そうだ。
iPadならメールの確認、返信もスマートフォンに比べてやりやすい。ソフトキーボードもゆったりしたキーピッチでタップしやすい |
●「SFAはスマートフォンで」の理由
大塚商会ブース内でNIコンサルティングが行っているのが、スマートフォンでのSFA(営業支援システム)の活用デモ。同社のSFA「顧客深耕日報」のiPhoneでの使用感が体感できる。
SFAは入力・閲覧項目が非常に多く、ボタンで操作する携帯電話では画面スクロールやデータ入力にかなり手間が掛かってしまう。その点、タッチパネルで操作でき、さらにピンチ操作(指でつまんだり広げたりする動作)で画面のズームアップ/アウトができるスマートフォンならストレスなく使える。
また、「音声入力に対応しているので、スマートフォンに向かって話して項目を入力できる」(説明員)のも嬉しい点だ。テキスト変換の誤りがあった箇所をソフトキーボードで修正すれば、効率的に入力できる。「移動中に入力しておけば、社に帰る前に日報が出来上がる」(同)。「声」が使えることで、移動中などの隙間時間を有効に活用できそうだ。
なお同社では現在、iPadへの対応も進めている最中だという。
iPhoneから営業支援システムを操作。画面の拡大縮小が自由自在なので、細かなボタンや入力項目でも使いやすい(クリックして拡大) |