DXを推進する上で大きな障壁となる従来型ロードバランサー長年、ロードバランサーはシステムごとにActive-Standby構成で導入、運用されてきており、その中で様々な課題が生まれている。1つ目が設備投資の過剰、Standbyの待機リソースやActiveの余剰リソースを有効活用できないことだ。2つ目が拡張性の不足、柔軟にリソースを拡張することができず、ハードウェア アプライアンスでは上位機種への買い換えが必要になる。3つ目が運用負荷の増大、規模が大きくなるに従って、アップグレードや管理台数が増加し、アップグレードや証明書の更新も個別に実施しなければならない。
「現場の運用担当者が一番困っているのは運用負荷の増大です。例えばOSの脆弱性が明らかになると、OSのバージョンアップが必要になりますが、1台1台行わなければなりません。バージョンアップは利益を生みませんから、担当者は保守作業を自動化したいという強い思いがあります」とヴイエムウェアの萩原健矢氏は語る。
ヴイエムウェア ネットワーク&セキュリティ事業部 ネットワーク&セキュリティ技術統括部
シニアスペシャリストエンジニア 萩原 健矢氏
また多くの企業が取り組んでいるDXを進める上でも問題がある。リードタイムが長期化するため、アプリケーション開発者やオーナーが求めるスピード感に対応できないのだ。アプリケーションを迅速に展開したいにもかかわらず、ロードバランサーの調達に何週間もかかることで、DX推進の障壁になってしまう。
図1.従来型のロードバランサーの課題(画像クリックで拡大)