KDDIは2010年7月1日、中小企業向けの会員制サポートプログラム「KDDI まとめてオフィス」の提供を開始した。
ガートナーの調査によると、従業員数100名未満のIT投資額は09年度に3.3兆円で、その後は回復基調にある。また、KDDIが中小企業ユーザー約300社を対象に実施したヒアリングでは、約65%以上が経営者自らPCやインターネットの購入先を決定しているほか、54%が自社ホームページはあっても更新できていないという実態が明らかになった。「中小企業ではITの人材が不足しており、専門性を持った信頼できるパートナーを求めている。そこに我々が飛び込んで行こうではないかと考えた」とKDDIソリューション事業本部サービス企画部課長の上原三典氏は話す。
KDDIソリューション事業本部サービス企画部課長の上原三典氏 |
KDDI まとめてオフィスは、中小企業向けに各種通信サービスやソリューションサービス、オフィスの通信・OA機器などに関する提案・導入・設定・メンテナンスまでをトータルでサポートする。会員特典として、PCやサプライ用品などの特価品情報も提供する。
KDDIでは会員専用の問い合わせ窓口を設け、メーカーの異なる通信・OA機器の保守、PCの設定・操作方法に関するサポートなど一元的に対応。PCについてはオプションとして、月額3045円でPC本体およびプリンタやスキャナーなどの周辺機器の操作・設定をサポートする「PCサポートサービス」を提供する。最低利用期間は1年で、1拠点当たり20台までが対象となる。
また、法人モバイルサービス、固定音声サービス、ASPサービス、固定データサービスなど「KDDIサービス」の利用金額に応じて付与されるポイント制度にも対応。従来のauポイントや「KDDIポイント大作戦」としての利用に加え、KDDIから通信・OA機器、サプライ用品などを購入する際にも充当できる。今秋からは、「KDDIサービス」および通信・OA機器、PC関連用品などのリース品、他通信事業者の利用料金について請求を1つにまとめる「ワンビリングサービス」や、勘定科目別・部署別コストなどの利用状況を分析したレポートを定期的に提供することも予定している。
「KDDI まとめてオフィス」サービスイメージ |
KDDI まとめてサポートは入会金および年会費が無料。入会するためには、「KDDIサービス」のうち2つ以上を同一法人名義で利用していること、それらの請求書を1つにまとめていることが条件となる。
入会条件やポイント付与の対象となる「KDDIサービス」一覧 |
KDDI まとめてオフィスは今年4月1日から東名阪地区の一部で試験的に提供を開始、3000会員を獲得した。全国でサービスを開始することで、今年度内に会員数5~6万社を目指すという。