NECは2020年5月13日、ローカル5G向けの学習型通信分析技術を開発したと発表した。ローカル5Gなどの自営無線網において、ネットワークの専門家なしでも混雑や競合による品質劣化を回避し、常時高品質で利用可能にするという。

NECによれば、ローカル5Gを常に高品質に保つためには、5G基地局から接続先サーバーまでの通信混雑や競合を回避する運用が重要だという。例えば、通信キャリアの場合、通信品質の劣化が発生するたびに、ネットワークの専門家が数日を費やし、各通信の優先度や速度の調整を通信状態の分析に基づいて行っている。

NECが今回開発したのは、こうした専門家の分析ノウハウをAIで学習し、人手を介さずにリアルタイムに提供する技術。現在流れている通信トラフィックの特徴から、動画や静止画、テキストデータといった通信種別とそれぞれの時間あたりの通信量を高精度かつリアルタイムに推定。人手を介さず学習することで、利用状況の変化に自動で追従する。

これにより専門家不要で、ローカル5Gを高い性能で安定的に利用できるとしている。

なお、今回開発した技術の一部は、東京大学大学院 情報学環 中尾彰宏教授との共同研究の成果とのこと。

学習型通信分析技術の概要