ダイキン工業は2018年2月に、空調機から得られる空気・空間に関するデータを活用して新たなサービスを創出するためのプラットフォーム「CRESNECT(クレスネクト)」を発表した。今回の6社による取り組みは、その第一弾プロジェクトとして進められるものだ。
「CRESNECT」の概要
CRESNECTは、オフィスの1部屋に1台以上設置されている空調機をIoTゲートウェイとして、オフィス空間やそこで働く人に関するデータを収集し、パートナー企業と共にそれを活用した新たなサービスを開発しようというのがコンセプトだ。ダイキン工業の執行役員、テクノロジー・イノベーションセンター長の米田裕二氏は、その推進に向けて「空調機の情報端末化」と「センサーによる空間のIoT化」を進めるとしたうえで、多様なパートナー企業との協創によって「業界の垣根を超えた空間ソリューションを開発する」と話した。
ダイキン工業の空調機をIoTゲートウェイとして活用する
今回集まった6社とは、IoTゲートウェイ化した空調機から得られる各種のデータを共有し、かつ各社が持つ専門領域を持ち寄って業務効率性や創造性の向上、健康増進に貢献するためのソリューションを開発する。2018年中に、都内の主要ターミナル駅近くに実証フィールドとなる「体験型ワークスペース」を開設。利用者の実データを収集し、サービスの改善や新サービス開発に活かす。
発表会に登壇した(上段左から、発表順)
ダイキン工業 執行役員 テクノロジー・イノベーションセンター長 米田裕二氏
オカムラ 取締役 マーケティング本部長 荒川和巳氏
ソフトバンク 代表取締役副社長 執行役員 兼 COO 今井康之氏
(下段左から、同)東京海上日動火災保険 理事 関西営業第三部部長 船橋靖氏
三井物産 執行役員 ICT事業本部長 齋藤正記氏
ライオン 研究開発本部 企画管理部長 田中孝祐氏
例えば、オフィス家具のオカムラは「センサー搭載型オフィス家具のプロトタイプを上記のワークスペースへ導入し、そこから得られるデータをセンサー搭載家具の商品化やサービス開発に役立てる」(取締役・マーケティング本部長の荒川和巳氏)。ソフトバンクはAIやIoT、ロボット活用の技術/ノウハウを提供し、「データ収集や可視化、AI分析の面で」役割を果たしたいと代表取締役副社長・執行役員 兼 COOの今井康之は述べた。
そのほか、東京海上日動火災保険は生体データと疾病の相関分析などから「新たな保険商品の開発につなげていく」(理事・関西営業第三部部長の船橋靖氏)など、各社とも強みを活かした新サービスの開発に取り組む。
なお、ダイキン工業は今後もCRESNECTへの参加企業を広く募集する。