F5ネットワークスジャパンは2018年7月11日、仮想化されたソフトウェアベースのADC製品「BIG-IP Cloud Edition」の提供を発表した。
BIG-IPの様々な機能を、個々のアプリケーションに最適なサイズで、自動的に適用できるという。このため、パブリッククラウドに配置されたアプリケーションについても、オンプレミスと同じ可用性とセキュリティを確保でき、マルチクラウドで一貫した対応を実現できるとしている。
F5ネットワークスジャパン 代表執行役員社長の権田裕一氏は提供の背景について、こう説明した。
「アプリの開発方法の変更が大きい。我々の調査では、世界では半分のお客様が従来のウォーターフォールからアジャイル、DevOpsに変化していることが分かった。また、各ツールのオーケストレーションも進んでいる。どこに展開するかという点でも、世界で約半数、日本でも38%のお客様がパブリッククラウドを何らかの形で利用していることが判明した」
F5ネットワークスジャパン 代表執行役員社長 権田裕一氏
BIG-IP Cloud Editionの特徴は具体的には大きく3点ある。1点目は、F5がこれまでBIG-IPプラットフォームで提供してきた幅広いADC機能をアプリケーションごとにカスタマイズした形で適用できることだ。料金体系も従来型のパーペチュアル(買い切り型)ライセンスモデルのほか、サブスクリプションモデルもサポートしている。
2点目は、ネットワークセキュリティ管理者が事前に用意したテンプレートを利用することで、アプリ開発者側でロードバランシングやセキュリティの設定が行える点だ。これにより、個別に議論する時間を省略できるという。
3点目は、アプリケーションごとのステータスなどを可視化・分析できる専用のダッシュボードの提供だ。アプリケーションごとのパフォーマンスや、健全性の自己診断機能も提供されており、アプリケーションの管理性・可用性の強化が期待できる。
BIG-IP Cloud Editionの構成イメージ。基本は2層構成で、第1層に設定依存が少ない
L4のロードバランシング、第2層にアプリケーション毎のL7処理用のADCを配置する
同社 リージョナルマーケティングアーキテクト/エバンジェリストの野崎馨一郎氏は最後に、「今回の製品で、従来のお客様であるインフラ部門のお客様だけでなく、アプリケーションに何かしらの形で関わるお客様にも価値を提供できる」と話した。