導入後に困らないWi-Fiを作ろう! [第1回]運用管理編

今や企業に不可欠な無線LAN。だからこそ、安定的かつ安全に通信できる製品を選ばなければ、導入後にトラブルに見舞われることになる。そうならないよう、ぜひ使うべき最新機能をレポートする。

無線LAN(Wi-Fi)製品を選ぶときに最も重視するポイントは何だろうか。数年前なら「通信速度」が最優先だったかもしれないが、今はセキュリティ、あるいは通信の安定性を真っ先に挙げる企業が多いのではないだろうか。

有線LANに匹敵する通信速度を実現したIEEE802.11acによって、企業ネットワークの主役は有線からWi-Fiに変わりつつある。だからこそ、安定的に快適な通信が行えて、かつセキュリティ対策も十分な環境を整えることが不可欠だ。ただし、重要なのは、いかに運用負荷を高めずにそれを実現するかだ。

目に見えないWi-Fiは、とかく手間がかかる。快適な通信を維持するためのメンテナンスも障害時の原因特定も、そしてセキュリティ対策も有線に比べて難しい。そのため、価格の安さや表面的なスペックだけで製品を選んだ挙句、導入後に問題が噴出するケースは珍しくない。余計な運用コストがかかったり、セキュリティの追加投資が必要になったりで、“結局高くついた”失敗例も少なくないのだ。

ユーザーにとって幸いなことに、最新のWi-Fiアクセスポイント(AP)やクラウドWi-Fiサービスは、手間やコストをなるべくかけずに通信品質を安定化させるための機能や、セキュリティ機能が充実してきている。しかも、中堅中小企業でも十分に手の届く価格帯で、だ。

導入後に困らない、本当に使いやすいWi-Fiを作るために、ぜひ利用すべき機能を紹介しよう。

電波を自律調整する賢いAPWi-Fi通信の安定化を難しくしている最大の理由は、電波が見えないことにある。オフィスレイアウトの変更や社員の異動などで、電波が遮られたり特定のエリアに端末が偏ったりすると、途端に通信品質は悪化するが、すぐには原因と対処法がわからない。

そうしたトラブルが起こる度にSIerを呼んで調査し、置局をやり直すのは費用と時間の無駄だ。さらに、復旧までWi-Fiが使えなければ業務にも支障をきたす。

これを解消するには、大きく分けて2つのアプローチがある。1つは、電波出力や帯域の割当等をAPが自律的に調整して、通信を安定化させること。もう1つが、電波状況やAP/端末の利用状況を可視化することだ。

前者の例をいくつか挙げよう。

会議室や学校の教室のように複数の端末が同時接続しても安定した通信が行えるよう、各端末へ均等に帯域を割り当てる「トラフィックシェーピング機能」を備えるのが、NECプラットフォームズ(NECPF)のAP「NA1000シリーズ」だ。同製品はこのほか、電波干渉が少ない5GHz帯に端末を誘導する機能や、端末が移動している時に、より受信強度の強いAPに自動接続させるローミング最適化機能も搭載している。

NECプラットフォームズの「NA1000」
NECプラットフォームズの「NA1000」

こうした自律調整の機能は他社のAPでも様々なものが搭載されており、APはどんどん賢くなっている。最新のAPを採用することで、メンテナンスの手間はかなり低減されるはずだ。

月刊テレコミュニケーション2017年11月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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