住友化学は2017年11月27日、NECのSDNソリューションを千葉工場に導入したと明らかにした。住友化学は、次世代工場（デジタルプラント）の実現や、グローバルサプライチェーン情報のリアルタイム可視化・高度化などに取り組んでおり、その一環となる。
導入したのは、NECのSDN対応製品「UNIVERGE PFシリーズ」など。千葉工場では、姉ヶ崎地区と袖ヶ浦地区の距離が離れた2拠点を常時ネットワークで接続し、平常時は、姉ヶ崎地区のSDNコントローラで制御し、同一セグメントのネットワークを構築・運用している。袖ヶ浦地区にも予備のSDNコントローラを設置することで、両地区のいずれかの回線に障害が発生した際の操業への影響を最小化できるようになっている。
また、ネットワーク全体の構成や通信状況をGUI画面で可視化し、仮想ネットワークを一元的に管理・制御することが可能。これにより、障害箇所を迅速に特定できるほか、担当者がセキュリティを保ったまま容易にネットワークを多層化できるため、千葉工場におけるネットワーク維持費用を約3割削減できる見込みだという。
さらに、住友化学では、タブレット端末を利用して現場で工場内の図面確認や保全記録作成ができる仕組みの構築に取り組んでいるが、SDNによる仮想ネットワークの活用によって、セキュリティを維持したまま、現場で簡単に工場の計器や機器の情報にアクセス可能になるとのこと。プラントの予防保全のため、センサーを機器に取り付けることも検討している。
