IDC Japanは2017年4月10日、国内IoT向けITサービス市場予測を発表した。
これによると、同市場の2016年の支出額は前年比96.9%増の548億円。2016~2021年の年間平均成長率(CAGR)は64.8%で、2021年の支出額は6670億円まで拡大する見通しだ。
ここでいうIoT向けITサービスとは、IoTの活用(導入/運用)をIT領域で支援するサービスのこと。具体的には、IoT向けのプロジェクトベース(SIやカスタムソフトウェア開発、ITコンサルティングなど)、テクノロジーアウトソーシング(ITインフラストラクチャやアプリケーションの運用など)、サポート&トレーニング(ハードウェア/ソフトウェアの保守やIT教育など)といった市場が対象になっている。
IoTの黎明期にある2016年時点で、IoT向けITサービスの中心となっているのは、ITコンサルティングやSIなど、IoTの導入支援を行うプロジェクトベースのサービス。産業別では、製造業や公共分野など、インダストリアルIoT領域における支出額が多くなっているという。
国内IoT向けITサービス市場 支出額予測
IDC Japanの植村卓弥氏は、「IoT向けサービス事業者は、IoTの価値最大化のために重要となる部門/企業/産業を横断するデータ活用において、その連携を支援し、企業/産業のバリューチェーンをつなぐ役割を果たすことが求められる。加えて、中長期的にIoTサービス市場をけん引するであろうIoTを活用した業務サービスの拡大に向け、顧客支援だけではなく、自らがプレイヤーとして新たなユースケースを創出して行く姿勢が必要になる」とコメントしている。