世界で月間3億人が利用するという無料のチャット/音声・ビデオ通話アプリ「Skype」の拡張機能の1つ、「Skype翻訳」が新たに日本語に対応した。日本語と、英語・ドイツ語・フランス語など9言語との間で会話をリアルタイムに翻訳する。
リアルタイム音声翻訳を使うと、発した言葉がリアルタイムに指定の言語(上写真の相手は
スペイン語)に翻訳されて伝わる。画面にも翻訳結果がテキストで表示される
Skype翻訳は、マイクロソフトの翻訳エンジン「Microsoft Translator」を利用したサービスの1つ。互いの言語を介さない人同士でも、言葉を発した数秒後に翻訳された音声が相手に伝わり意思を伝えることができる。今回、音声翻訳のサポート言語に10番目の言語として日本語が追加された。
また同時に、Microsoft Translatorの翻訳エンジンを深層学習(ディープラーニング)によるものに切り替えたことで、翻訳精度も向上しているという。日本マイクロソフトのOfficeマーケティング本部でシニア プロダクト マーケティングマネージャーを務める鈴木哉氏は、提供を始めたばかりの現時点で「すぐにビジネスで使えるものでもない」と話すが、使用するほどにAI(人工知能)が学習を重ねていくため、「使えば使うほど精度が向上し、改善されていく」(同氏)。今後の進化とともに、ビジネスシーンも含めて活用範囲が広がっていくことが期待される。
日本マイクロソフト Officeマーケティング本部
シニア プロダクト マーケティングマネージャーの鈴木哉氏
Skype翻訳は、Skype for Windows デスクトップ版、Skype for Windows 10 プレビュー版、Skype Web版で利用が可能。Skype for Windows 10 プレビュー版では、固定電話/携帯電話への通話時にもリアルタイム会話翻訳機能が使える。
Windows PCでの設定方法
利用シーンとしては、日本語が話せない友人との交流や、海外旅行先のホテル・レストランの予約、海外でのトラブル対応、学校における国際交流などを想定しているという。実際に使用してみると、翻訳された音声が聞こえるまで若干のタイムラグ(数秒)があるため、テンポよく会話するというわけにはいかないが、上記のようなシーンでは特に支障なく使えそうだ。
なお、スマートフォンアプリでの展開は現時点では未定だ。理由は、雑音が多い環境では音声認識と翻訳の精度が著しく低下するため。PCでの利用においてもヘッドセットの利用を推奨している。