「WAN高速化における我々の世界シェアは70%。だが、これからはSD-WANの時代だ」――。
そう語るのは、リバーベッドテクノロジーで代表執行役社長を務めるレオ・キーリー氏だ。
リバーベッドテクノロジーの代表執行役社長 レオ・キーリー氏(左)と、技術本部長の草薙伸氏
同社は2016年1月にSD-WANソリューションベンダーである独Ocedo社を買収。同年4月に「Riverbed SteelConnect」をリリースしてSD-WAN市場に参入した。当初は一部顧客に限定して提供していたが、半年後の10月、各種機能を追加した新バージョン「SteelConnect 2.0」のリリースとともに一般販売を開始した。
キーリー氏によれば、それから4カ月が経過した2017年1月末時点で、リバーベッドのSD-WANを利用する企業はワールドワイドで約300社、トライアル中の顧客は1600社にも上るという。下画像のように、導入企業の業種も多岐に渡り、すでに1000を超える拠点にSD-WANを展開している例もあるという。2016年を「変革の年」とする同氏は、これまでのSteelConnectの展開について「本当に早かった」と振り返った。
SteelConnectの導入例
数クリックで拠点とAzureを接続
そのリベ―ベッドが2017年3月1日、SD-WANソリューションの拡充に関して3つの発表を行った。
1つは、SteelConnectの新機能として、Microsoft Azureクラウドネットワークへの接続を簡易化する自動プロビジョニング機能の提供を開始したこと。2つめは、同社のWAN高速化アプライアンス「SteelHead」にSD-WAN機能を統合した新製品「SteelHead SD」だ。3つめに、大規模なSD-WAN展開を可能にするためのデータセンター向け新製品「SteelConnect SDI 5030」も発売した。
1つめの“Azure接続”は、SteelConnectの管理ツールであるSteelConnect Manager上のGUI操作によって、API連携でAzure上に仮想インスタンスを立ち上げ、ユーザー側の拠点とAzureとの接続を自動で行うというもの。なお、Amazon Web Service(AWS)については同様の機能を以前から提供していた。
Azure接続の自動プロビジョニングの様子。プロビジョニング中の拠点および経路が赤色で表示され、完了すると緑色に変わる
すべてのプロビジョニングが完了した様子
上はそのデモ画面だ。詳細な操作については省くが、画面上でAzureと接続させたい拠点を選んでデプロイの指示をすると、各拠点のSteelConnectゲートウェイへの設定も含め必要なプロビジョニングを自動で行う。進捗もGoogle Map上でわかりやすく表示される(赤がプロビジョニング中の拠点および経路。接続が確立すると緑に変わる)。
WAN高速化アプライアンスの上でSD-WANも動かす
そして、今回の発表のメインと言えるのが2つめのSteelHead SDだ。WAN高速化のみの既存の製品ラインと併売するかたちで、SD-WAN(SteelConnect)を統合した新製品ラインとしてSteelHead SDを販売する。
WAN高速化とSD-WANを1台の筐体内に統合する理由は大きく2つある。