IDC Japanは2016年7月20日、5Gサービス向け投資を軸に、国内通信事業者向けネットワーク機器市場は再びプラス成長に転じるという市場予測を発表した。
2015~2020年の年間平均成長率(CAGR)は11.0%。2020年の市場規模は1770億8200万円に達すると予測している。なお、同調査では、通信事業者(CSP:Communication Service Provider)向けのルーターとイーサネットスイッチに、公衆無線LANサービス向け無線LAN機器を加えたものをCSP向けネットワーク機器市場としている。
2020年に向けて最大の市場機会となるのは、2020年のサービス開始が予定される5Gのネットワーク構築需要だ。IDC Japanによると、2015年の国内CSP向けネットワーク機器市場は、LTEサービス展開の終息などを背景に、予想以上に低迷したというが、5Gをきっかけに再び成長へ向かう。
ただその一方で、5Gサービス開始まで大規模投資の状況は不透明であり、ベンダーにとって2020年まではチャレンジの時でもあるという。
「非常に重要な時期を迎える今後の数年間において、CSP向けネットワーク機器ベンダーは、2020年攻略の戦略を早期に策定し実行すべきである。固定通信サービスを含めた次世代ネットワーク展開のターゲットである2020年までの数年間に、どのような事業戦略に基づき、どのように製品開発するかが、2020年代の国内CSP向けネットワーク機器市場での成否を分けると言っても過言ではない」とIDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏は指摘している。
国内CSP向けネットワーク機器市場 支出額予測 |