「The Power of 1%(1%のパワー)を解き放て!」――。こう訴えたのは、GEデジタルでアジアパシフィック チーフ・コマーシャル・オフィサーを務めるマーク・シェパード氏。同氏によると、インダストリアル・インターネットが産業界に与えるインパクトを理解するには、まずこの1%のパワーについて理解する必要がある。
1%のパワーとは、IoTによる1%の改善がどれほど大きな効果を企業にもたらすかを表した言葉だ。シェパード氏が実例として挙げたのは、オーストラリアの石油ガス会社のケース。
「石油ガス産業では稼働率が1%上がるだけで、50~70億ドルのインパクトがある。我々は、あるオーストラリアの石油ガス会社のパイプラインのほとんどの装置を供給しているが、インダストリアル・インターネットのサービスを活用し、99.2%の稼働率を保証している」
石油ガス会社のインダストリ・インターネット事例 |
また、航空産業であれば1%の燃費改善で20~30億ドル、ヘルスケア産業であれば1%の生産性向上で40~50億ドルのインパクトがあると同氏。
産業界におけるIoTへの取り組みは、「まだ緒に就いたばかり」(シェパード氏)であり、その実際の効果のほどを疑問視する向きも少なくないだろう。しかし、1%でも大変なインパクトがある。1%の真の価値を見誤れば、競合他社に大きく出遅れかねないというわけだ。
ペインポイントの見極めとデザイン思考が重要
GEは、インダストリアル・インターネットを推進するため、自社開発のIoTプラットフォーム「Predix」を外部にオープンに提供している。
Predixの概要 |
その狙いは、アップルがコンシューマの世界で作ったようなエコシステムを、インダストリアルの世界で実現することにあるが、Predixのエコシステムを発展させるためのコンサルティングサービスやデータ分析サービスなどを提供するのが、GEからスピンアウトしたGenpactだ。