IDC Japanは2016年6月1日、国内の企業向けネットワーク機器市場に関する調査結果を発表した。
これによると、企業向けルーター、企業向けイーサネットスイッチ、企業向け無線LAN機器からなる同市場の2015年の規模は、前年比5.6%増の2131億800万円だった。データセンター向けイーサネットスイッチ需要の増加と、企業における無線LANの継続的な利用拡大が牽引したという。企業向けイーサネットスイッチ市場は6.3%、企業向け無線LAN市場は9.3%の成長を遂げている。
ベンダーシェアについては、シスコシステムズがルーター/スイッチ/無線LANのすべてで首位を獲得。市場全体でのシェアは47.8%となった。IDC Japanは「製品や事業ポートフォリオの総合力で抜きんでた存在」と評している。
今後の国内企業向けネットワーク機器市場は、「大きな成長は見込みにくいものの安定した市場」になるという。2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR)は0.7%、2020年の市場規模は2015年とほぼ同じの2203億7800万円と予測している。製品分野別のCAGRは、ルーターがマイナス1.1%、スイッチが0.9%、無線LANが2.3%。
国内企業向けネットワーク機器市場 支出額予測 |
このように全体とすれば、低成長が続く企業向けネットワーク機器市場だが、居所的、限定的には成長領域が残されているという。IoTに代表されるNon-ITデバイスのネットワーク接続の増加だ。
「IoT向けソリューションの最初の一歩は、Non-ITデバイスのネットワーク接続に適した設定、運用管理機能の強化である。その際に最も留意すべき点は、イーサネットスイッチベンダーが想像する以上に設定機能を簡易にし、工事者や運用管理者の作業を極限までシンプルにすることである」とIDC Japanの草野賢一氏は述べている。