長距離通信に適しており、また免許不要で使える920MHz帯。
センサーネットワークなどIoT/M2M用の帯域として、今後さらに利用が加速すると期待されているが、ワイヤレスジャパンの大井電気ブースに920MHz帯を活用したソリューションが参考出展されている。
「920MHz帯長距離画像伝送システム」だ。河川・道路・貯水池や工場・駐車場などの画像を長距離伝送できる。どれくらい長距離かというと、最大8kmの長距離通信が可能だ。さらに「状況によっては10~14kmまで飛ばせる」と説明員は話す。
920MHz帯長距離画像伝送システムの概要 |
これほど長距離通信ができるのは、大井電気の920MHz帯長距離無線通信ユニットが、従来の特定小電力無線よりも低速な変調方式を採用しているからだ。具体的には「GFSK変調方式」と「スペクトラム拡散変調方式」の2種類に対応し、前者は通信速度が50~100kbpsで最大通信距離は1km、後者は0.2~10kbpsで最大8kmとなっている。
通信速度が遅いと当然大きなデータは送れないが、この点は920MHz帯に適した画像圧縮技術の採用により解決している。
JPEGの約3倍の圧縮効率を持つというHixという方式に対応した画像圧縮装置「Hix003」(情報システム総合研究所)と組み合わせることで、狭帯域でも高画質の画像を送れるようにしているそうだ。
920MHz帯長距離画像伝送システムのデモの様子。下に見えるのが、920MHz帯長距離無線通信ユニット |