車載機はSIMフリースマホ×MVNO回線――富士通がバスロケーションサービス「バスこっち」を構築

富士通は2016年3月25日、高知県で路線バスを運行する、とさでん交通ととさでん交通の子会社である県交北部交通に、バスの接近情報をリアルタイムに把握できるバスロケーションサービスを構築したと発表した。とさでん交通のシステム子会社、ですかがバス利用者向けに提供する「バスこっち」として4月1日から運用を開始する。

バスロケーションサービスは、富士通のクラウド位置情報サービス「FUJITSU Intelligent Society Solution SPATIOWL(スペーシオウル)」を基盤とし、約10秒周期で収集されるバスの位置情報と、バス事業者が所有する路線図、停留所、運行ダイヤなどの情報を統合する。これにより、停留所から見たバスのリアルタイムな接近情報が地図上で把握できるほか、運行ダイヤと比較した遅延情報もバス利用者に提供する。

バスロケーションサービスのシステム概要

バスに搭載する車載器は、富士通によるSIMフリーのスマートフォン「ARROWS M305/KA4」を活用。スマホにSPATIOWLと連携するAndroidアプリケーションをインストールすることにより、バスの位置を収集する仕組みを構築した。モバイル通信には、LTE回線を利用したMVNOサービス「FUJITSU Managed Infrastructure Service FENICS(フェニックス)インターネットサービス モバイル接続 LTE Dタイプ」を活用し、回線費用を低減するという。

バス利用者向けアプリのバスこっちには、とさでん交通と県交北部交通による約160の全路線と約1200の全停留所、および運行しているバスの現在位置が地図上にマッピングされる。利用者は乗車する停留所の場所を地図で確認し指定する簡単な操作で、バスの接近情報や遅延情報を調べることができる。

乗降したい停留所を選択すると、その停留所を通行する路線が協調表示され、複雑な路線でも道程を確認しやすくする工夫が施されている。

「バスこっち」で表示される路線の画面

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