西日本高速道路(NEXCO西日本)は2014年4月30日、OpenFlow/SDNを採用した新たなネットワークの構築を今年3月に完了したと発表した。OpenFlow 1.3.0対応のスイッチを採用している。NEXCO西日本は今回構築したOpenFlow/SDNネットワークを活用し、災害による致命的なダメージにも対応できる新しい交通管制システムを実現する計画。
NEXCO西日本ではこれまで、道路管制センター単位で複数台の装置を設置することで、被災しても機能が停止しないように備えていた。さらに今回、交通管制システムのサーバーを仮想化技術により統合・共通化するとともに、全45拠点をOpenFlow/SDNネットワークで接続。ある道路管制センターが致命的なダメージを被った場合、OpenFlowの集中制御機能を活用し、情報板などの本線設備の接続先を被災していない他支社の道路管制センターに切り替える。これにより、短時間で最低限の機能を補完を実現する。
OpenFlow/SDN技術を活用したバックアップへの移行イメージ |
従来、他支社の交通管制システムに切り替えるには、数千カ所に及ぶ本線設備ごとに設定変更する必要があった。このため、完全に機能が停止した場合、復旧には少なくとも数日かかる見込みだったという。しかし、新システムではOpenFlowにより、数分程度でバックアップへの切り替えが可能になるとのこと。
NEXCO西日本は現在、このOpenFlow/SDNネットワークを活用した交通管制システムの構築を順次進めているところで、2015年度末までには新システムへの移行が完了する予定だという。