「フェイスブックを使えば、自分の家族が海外にいても、何が起きているかがリアルタイムに分かる。一方、企業はいまだ非同期の世界だ。どうしたらコンシューマの世界と同じエクスペリエンスを企業内で実現できるのか。シスコは、ここに最大のオポチュニティがあると考えている」
シスコシステムズは2014年1月21日、コラボレーション関連の新製品群を発表した。その記者会見の冒頭、執行役員 コラボレーションアーキテクチャ事業のアーウィン・マッティー氏はこう語ったが、今回の新製品群の大きな方向性の1つとなったのが、ITコンシューマライゼーションへの積極的な対応である。
顧客とのビデオ通話を手軽に実現するJabber Guest
まず紹介されたのは、「Cisco Jabber Guest」だ。これは従来、社員間など特定の相手同士でしか使われてこなかったビデオ通話の利用範囲を大きく広げるソリューション。顧客や社外関係者などとのビデオ通話を手軽に実現できる。代表的な用途としてデモが行われたのは、コンタクトセンターでの活用例だ。消費者がWebサイトのリンクをクリックしたり、チラシに印刷されたQRコードを読み取ると、PCやスマートデバイスを使ってコンタクトセンターのオペレーターとビデオ通話が行える。
Jabber Guestのデモ画面。Webページに張られたリンクをクリックすると、オペレーターとのビデオ通話がスタートする |
Jabber Guestは当初、iPhone/iPad向けアプリケーションとWindows用ブラウザ向けのプラグインが提供されるほか、WebRTCもサポート。WebRTC対応ブラウザでは、プラグインなしでビデオ通話ができるようになるという。
また、Jabber Guestを支えるセキュリティゲートウェイ製品が「Cisco Expressway」である。リアルタイムコラボレーションに最適化されているというExpresswayの特徴は、「VPNレスの世界を実現できる」(マッティー氏)こと。VPNを張る必要なしに、音声、IM、ビデオ通信をセキュアに保護するという。Jabber Guestは4月、Expresswayは2月の販売開始予定となっている。