KDDIのビジネスイベント「KDDI SUMMIT 2026」が10月27日、東京・高輪のTAKANAWA GATEWAY Convention Centerで開幕した。4回目となる今回のテーマは「一人ひとりを輝かせるAIの可能性を、現実へ」だ。
基調講演に立った代表取締役社長CEOの松田浩路氏がまず示したのは、AIと通信が融合する「AI前提社会」では、ビジネスにおける「選ばれ方」の前提が変わるという見立てだ。

KDDI 代表取締役社長CEOの松田浩路氏
AIエージェントが価格やスペックを網羅的に比較し、合理的な判断を下すようになれば、長年の信頼や愛着に支えられた顧客の継続利用(カスタマーイナーシャ)は揺らぎかねない。松田氏は、AIが最もお得な金融機関へ預金を勝手に移したり、ログイン頻度の落ちたファンクラブを解約したりする例を挙げ、企業と顧客が築き上げた信頼関係さえ、AI前提社会では簡単に失われてしまう可能性があると危惧した。
一方で、AIが合理的な比較を担う時代だからこそ、人が最後に下す決断の決め手は「心を動かされた体験になる」と松田氏は主張。その体験づくりにAIを活かすことが、「AI時代に選ばれる」ためのカギになると話した。
店頭のアップグレード率はオンラインの3倍
具体的に、AIは体験づくりにどう生かせるのか。
松田氏は、マーケティングの定石はAI時代も変わらないとしたうえで、それを構成する要素1つひとつの精度と実行力がAIによって格段に高まると説明した。
一例として挙げたのが店舗接客だ。スマートフォンの機種変更時に上位プランへアップグレードする割合は、店頭がオンラインの約3倍に上るという。KDDIは約2000のauショップで、店頭スタッフが必要とする情報をAIが即座に回答する仕組みを7月に導入した。
これにより、回答にたどり着くまでの時間を8~9割削減。ショップから本社に寄せられていた約20万件の問い合わせも半減した。

AIを接客力向上に活かす「KDDI Avatar Canvas」
11月2日には、AIアバターが店頭スタッフの接客トレーニングを支援する仕組み「AIロープレ」を全国のau Style/auショップに導入する。また、同じアバターシステムを基盤とする「KDDI Avatar Canvas」の法人向け提供を開始。接客トレーニングに加えて、店頭サイネージ等でAIアバターが来店客の一次対応を担い、専門的な相談は有人オペレーターに引き継ぐハイブリッド接客も可能になるという。








