レガシーシステムを「AIが読める資産」に、NTTが文書・コード・テストを自動補完する技術を開発

生成AIを活用したソフトウェア開発の効率化が広がっている。新規開発を中心にこの動きが加速するなか、ソフトウェア開発の約6割を占める既存システムの追加開発では活用が遅れている。その対策としてNTTは、仕様書・設計書・コード・テスト間の不整合を自動で検出・補完し、網羅的なテストを生成する技術を開発。既存資産を生成AIが正しく理解・改修・検証できる「AI-Ready」な状態へ変換する。

NTTは2026年10月23日、生成AIを活用したソフトウェア開発を効率化する新技術を開発したと発表した。人間が開発・運用してきた既存システムの仕様書・設計書・コード・テスト間の不整合を自動で検出・補完する技術だ。

生成AIを活用したソフトウェア開発の効率化が急速に進んでいる。ただし、それは、イチから新しくシステムを作る新規開発が中心だ。

NTTコンピュータ&データサイエンス研究所 革新的コンピューティングアーキテクチャ研究プロジェクト 主任研究員の倉林利行氏によれば、既存システムの改修・保守・再開発を行う追加開発は、「ソフトウェア開発全体の約6割を占めるかかわらず、新規開発に比べて生成AIの活用が進んでいない」という。生成AIによる生産性向上の効果を企業全体へ波及させるには、追加開発への適用が欠かせない。

NTTコンピュータ&データサイエンス研究所 革新的コンピューティングアーキテクチャ研究プロジェクト 主任研究員の倉林利行氏

NTTコンピュータ&データサイエンス研究所 革新的コンピューティングアーキテクチャ研究プロジェクト 主任研究員の倉林利行氏

追加開発での生成AI活用を阻む2つの要因

倉林氏は、追加開発での生成AI活用を阻む要因は大きく2つあるとした。1つは、「ドキュメントとコードの乖離」だ。長年使われているシステムでは、改修を重ねるうちにコードばかりが更新され、仕様書や設計書との間にずれが生じる。内容が一致していないため、生成AIはシステム全体の仕組みを正しく理解できない。

追加開発において生成AI活用が進んでいない理由

追加開発において生成AI活用が進んでいない理由

もう1つは「テストの不足」である。生成AIが改修を行った際には、既存機能を壊していないかを確認する必要がある。だが、テストが少なかったり自動化されていなかったりすると、改修による悪影響を検証できず、品質の説明にも多くの工数がかかる。

こうした課題によって、「企業が安心してAIに追加開発を任せられない状況にある」と倉林氏は説明した。

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