「時刻同期は、もはやログを残すためだけのものではない。現代のインフラを動かす“心臓部”です」
セイコーソリューションズ 戦略ネットワーク本部 戦略ネットワーク営業統括部長の鈴木康平氏は、時刻同期の重要性をこう表現する。通信ネットワークの制御、金融取引、放送、電子カルテ、障害解析──。正確なタイムスタンプは幅広い場面で使われ、時刻のずれは社会システム運用にも影響する。

セイコーソリューションズ 戦略ネットワーク本部 戦略ネットワーク営業統括部長 鈴木康平氏
その基準時刻の取得に多く利用されているのが、GNSSだ。しかし、衛星から届く信号は微弱であり、ジャミングやスプーフィングの影響を受ける可能性がある。地政学的なリスクが高まるなか、その危険性は大きく高まっている。
「GNSSの障害は“起こるかどうか”ではなく、“いつ起こるか”の問題です」と鈴木氏。GNSSが途絶えても正しい時刻を供給し続ける仕組みづくりは、世界共通の課題だ。
同社はJANOG(JApan Network Operators’ Group)などのコミュニティで、通信事業者やデータセンター事業者らと時刻源の冗長化や地上系バックアップについて議論してきた。2026年10月19日・20日に開催された時刻同期技術イベント「TimeSync Japan 2026」にも実行委員・スポンサーとして参画し、時刻同期に関する業界共通課題を産官学で共有した。
閉域網と専門家による運用でNTPの課題を解決
GNSSへの依存の問題とは別に、IPネットワーク経由で時刻同期を行うNTPにも解決すべき課題がある。公開NTPサーバーは手軽だが、インターネット接続に伴うセキュリティ上の懸念がある。一方、自社にNTPサーバーを置く場合は、屋上へのGNSSアンテナ設置や同軸ケーブルの敷設に多大な時間と費用がかかる。テナントビルや窓のない施設では、設置自体が難しいこともある。
JANOGの運営でも、会場にアンテナを設置できない、配線や撤去に時間をかけられないといった悩みが顕在化した。
そうした課題を解決するのが「セイコークローズドモバイルNTP」だ。セイコーソリューションズの時刻配信センターと利用企業のタイムサーバーを、インターネットを経由しない閉域モバイル網で接続する(図表)。センターのGNSSタイムサーバーから受信したNTP情報を企業内へ配信するため、利用拠点にアンテナ設置や固定回線の引き込みは不要だ。設定済みのタイムサーバーと、閉域SIMを搭載したLTEアダプターを設置し、電源を入れれば利用できる。
図表 クローズドモバイルNTPのサービス構成

時刻同期の運用を、専門家である同社に任せられる点も大きなメリットだ。時刻配信センターは東日本と西日本の2拠点に分散。機器の状態や時刻差を継続監視し、異常時にはリモートで解析・復旧する。
モバイル通信の遅延変動による誤差は、独自技術「Seiko Smart Time Filter」で抑制する。時刻差を繰り返し測定し、外れ値の影響を抑えることで、UTC±50ミリ秒以内の精度を実現した。機器、通信費、監視、保守も定額料金に含まれ、故障機器の交換にも対応している。利用企業は機器や通信契約を個別に管理する必要もなく、運用負担も軽減できる。
実際にJANOGの会場では、「準備や構築はかなり手軽で、マニュアルを見ればすぐできた」と評価された。
「時刻同期をもっと安全に、もっと手軽に、そして身近にしていきたい」と鈴木氏は力を込めた。
<お問合せ先>
セイコーソリューションズ株式会社
戦略ネットワーク本部 STN営業部
URL:https://www.seiko-sol.co.jp/
お問合せはこちら(https://contact.seiko-sol.co.jp/si)













