NTTドコモは2013年7月26日、2013年度第1四半期決算を発表した。売上高は前年同期比3.9%増の1兆1136億円、営業利益は同5.8%減の2475億円と増収減益だった。
NTTドコモの加藤薫社長 |
スマートフォン販売数が前年同期比34.4%増の335万台と大幅に増加し、Xi契約数も1420万契約まで伸びたことでパケット収入やスマートARPUが増加する一方、フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行を促進するキャンペーン費用や他社への流出を止めるための費用など販促費がかさんだ。
パケット収入とスマートARPUは増加 |
ドコモの今期の純増数は8.7万と前年同期の3分の1にとどまっており、MNPによる他社への流出でも苦戦が続いている。夏商戦では「Xperia A」(ソニーモバイル)と「GALAXY S4」(サムスン電子)に販促費を集中して投入する「ツートップ戦略」を展開しており、これまでの販売台数はXperia Aが約110万台、GALAXY S4が約55万台となっている。Xperia Aはフィーチャーフォンからの取替えが約62%、GALAXY S4はスマートフォンからの取替えが約50%を占めるという。
加藤薫社長は「フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行を促し、ポートアウト抑止にもつながっている。7月はポートインの改善の兆しも見られるなど一定の成果がある」と語った。冬商戦でも「機種数がいくつになるかはわからないが、ラインナップを20機種も揃えることはない。電池が3日間持つといったものを含め、お客様に選んでいただける端末を提供したい」とツートップ戦略を継続していく考えを示した。
一方、ツートップ戦略の影響を受けて他の端末メーカーは販売台数が伸び悩んでおり、一部の国内メーカーはスマートフォンから撤退するとの報道もある。加藤社長は「他社の戦略について多くは語れない」と前置きした上で、「ツートップ戦略だけでなく、ここ3~4年のスマートフォンにおける競争の結果と考えている」と述べた。また、iPhoneの発売については「以前と状況は変わっていない」とした。
ネットワークについては、Xi基地局倍増計画により、今年6月の実績で約3万局になっており、今年度末には5万局まで増やす計画。下り最大112.5Mbps対応エリアを今年9月末に150都市まで拡大するほか、10月末には下り最大150Mbpsのサービスを東名阪の一部エリアで開始する。
Xi基地局は今年度末で約5万局に |
サービスでは、dマーケット全体の取扱高は前年同期比3.1倍の127億円。「dビデオ」「dヒッツ」「dアニメストア」が好調で、なかでもdビデオは455万契約と「大黒柱」になっている。今後は、旅行やファッション、教育などにもコンテンツを拡充する。
dマーケットではdビデオが大黒柱に |
また、7月1日付けでスマートライフビジネス本部を設置し、新領域への取り組みの強化を図る。第1四半期実績は、メディア・コンテンツが約300億円、コマースが約350億円、金融・決済が約550億円、その他が約300億円と新領域全体で1500億円となった。「年間目標である7000億円に向けて順調な滑り出し」(加藤社長)と手応えを感じている。