2022年7月に会員5社でスタートしたローカル5G合同検証会。第5回目の今回は20弱の企業・団体が参加し、性能検証の成果やローカル5Gのユースケースを披露した。放送業界向けの映像伝送や工場向けのワイヤレスTSNといった実践的なユースケースのほか、5G RedCapとの接続検証、基地局の時刻同期といったローカル5Gを構成する新たな技術要素の検証も行われた。
なお、会場は、情報通信研究機構(NICT)イノベーションセンター。東京大学中尾研究室、FLARE SYSTEMS、NTT東日本、東芝、NEC、NHKテクノロジーズ、マグナ・ワイヤレス、インフォシティG、ビットメディア、東陽テクニカ、iD、アイダックス、アストロデザイン、日本アンテナ等が参加した。

第5回ローカル5G合同検証会の参加者
RedCapを活用した「AI on RAN」実証
ローカル5Gシステムの新たな技術要素の1つが、RedCapだ。
RedCapは、3GPP Release 17で定義されたIoT向け5G規格であり、通信機能をLTEレベルに抑えることで低コスト、低消費電力、省リソースでの運用を可能にした“軽量版5G”仕様だ。産業用センサーや監視カメラ、ウェアラブル端末などでの利用が想定されている。なお、導入・利用には5G SA(Stand alone)ネットワークであることが前提となる。
会場では、2025年にRedCap対応のローカル5GシステムをリリースしたFLARESYSTEMが、ネクス製のRedCap対応USBドングルと組み合わせて行った実証について紹介した。

RedCap対応ローカル5G端末
その実証は工場における異常検知を想定したもので、監視カメラで撮影した画像をローカル5G経由で、MEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)で稼働する物体検知AIへ伝送。リアルタイム画像解析の実現性を検証する。
Wi-Fiを使用する場合に比べて低遅延かつ安定した画像伝送が行えるうえ、ローカル5G基地局に併設されたMECサーバーを組み合わせることで、リアルタイム性の高いAI処理が可能になる。さらに、RedCapを活用すれば、より低コストにAIサービスを展開できる可能性があるという。
また、東芝は、同社の分散型アンテナシステム(DAS)とRedCap対応基地局、RedCap端末との接続検証の結果を紹介。2026年1月に行った検証で、正常な通信接続を確認した。

DAS(分散型アンテナシステム)を使ったRedCap端末の接続検証の概要

東芝の分散型アンテナシステム(DAS)
DASは、基地局の信号を光ケーブルで分配することで、アンテナを分散配置し、電波が届きにくいエリアでの通信の安定性を高めるために用いられる。これを組み合わせることで、RedCapを活用したローカル5Gユースケースの広がりが期待できそうだ。













